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2020年07月08日 17時05分 JST | 更新 2020年07月08日 17時11分 JST

ダコタ・アクセス・パイプライン、先住民に喜びの判決。「石油を抜いて、調査せよ」裁判所が操業停止を求める

スタンディングロック・スー族は、4年間闘い続けてきました

Kevin Lamarque / Reuters
ダコタ・アクセス・パイプラインに反対する抗議活動

長年反対運動が行われ、物議を醸してきたアメリカの「ダコタ・アクセス・パイプライン」。

この石油パイプラインを巡る争いで、ワシントンD.C連邦裁判所は7月6日、パイプラインに反対してきたアメリカ先住民の訴えを支持し、パイプラインの運営を一時停止する判決を下した。

ジェームス・ボアズバーグ判事は判決で、同パイプラインの操業を認めたアメリカ陸軍工兵隊の環境影響評価が、不十分だったと指摘。

操業を停止して、30日以内にパイプラインから石油を取り除き、パイプラインのリスク調査と徹底した環境影響評価をするよう求めた

判事は、操業停止による混乱が生じるだろうと認めつつも、操業を認めた陸軍工兵司令部の調査は基準を満たしているとは言えず、パイプラインが引き起こすリスクを考えると裁判所は停止を求めなければならない、と述べた

新たな環境影響評価には、13カ月かかるだろうとNPRは伝える。

■ダコタ・アクセス・パイプラインとは?

ダコタ・アクセス・パイプラインは、ノースダコタ州からイリノイ州の石油ターミナルまでをつなぐ、1172マイル(約1886キロメートル)の石油パイプラインだ。

2017年に操業を開始し、1日に57万バレルの原油を運んでいる。

EnergyTransfer.com

問題になっていたのは、ノースダコタ州にあるスタンディングロック・スー族居住地の北側、ミズーリ川の下を通過する部分だ。

スタンディングロック・スー族はミズーリ川を水源として生活している。

同部族は、パイプラインが「部族が生活する居留地の水資源に打撃を与え、神聖な土地を脅かし、連邦文化財保護法とスタンディングロック・スー族ら先住民の居留地を侵害しないと約束した1851年のフォート・ララミー条約に違反している」と訴え、パイプラインの計画に強く反対してきた。

そして2016年8月には、適切な環境影響評価や対策なしにパイプライン工事を承認したとして、陸軍工兵司令部を提訴した

当時のオバマ政権はスタンディングロック・スー族の訴えを重要視。パイプラインの環境へのリスクを調査して他のルートを探るよう陸軍工兵司令部に求めた。

その後、陸軍工兵司令部は建設を中断して、環境影響評価の調査をすると発表したが、2017年にトランプ氏が大統領に就任すると事態が大きく変わった。

トランプ大統領は「建設は多くの雇用を生む素晴らしい計画だ」として、就任直後にパイプライン工事を進めるよう求める大統領令を出した。

これを受け、陸軍工兵司令部は環境に及ぼす影響調査が完了するまで建設許可を与えないとしていた方針を覆し、パイプラインを建設していたエナジー・トランスファー・パートナーズ社に、建設完了の許可を与えた

パイプラインは2017年に完成、操業を開始した。

 (パイプラインに抗議する、モンタナ州北シャイアン族のレイモンド・キングフィッシャーさん。「トランプ政権に我々はまだここにいる」と伝えると語った) 

■歴史的な日になった

政治に翻弄されながら約4年間闘い続けてきたスタンディングロック・スー族と支持者たちにとって、6日の判決は大きな喜びとなった。

同部族のマイク・フェイス部族長は「今日は、スタンディングロック・スー族と一緒に闘ってくれた多くの人たちにとって、歴史的な日です。パイプラインはそもそも、ここに建設されるべきではなかった。私たちは最初からそう訴えていました」と語った

スタンディングロック・スー族代理人のジャン・ハッセルマン氏も「今日、正義がタンディングロックの側に立った」と判決を歓迎した。

一方でエナジー・トランスファー・パートナーズ社は、判決を「十分に検討されていないお粗末なもの」と批判。「操業を続けるためにできる限りのことをする」と声明を発表した。

同社は6日午後に操業停止命令の執行停止を求める申し立てをしたが、連邦裁判所は7日、申し立てを却下した。