砂の中を「泳ぐ」貴重なモグラ、約90年振りに南アで発見。「絶滅」と言われるも諦めず

研究者たちの取り組みを「無駄なモグラたたきゲーム」と考える人たちもいたといいます
デ・ウィントン・キンモグラが生息するアフリカのビーチ
デ・ウィントン・キンモグラが生息するアフリカのビーチ
JP Le Roux

約90年ぶりに、生存を確認!

1936年を最後に目撃されていなかったデ・ウィントン・キンモグラが、現在も南アフリカで生存していることが確認された。 

このモグラはハムスターほどの大きさの哺乳類で、目は見えず優れた聴覚を持っている。毛皮は南アフリカの砂丘に溶け込む輝く褐色で、分泌した油性の物質で毛皮をコーティングすることで、砂の中を「泳ぐ」ように移動できるという。

デ・ウィントン・キンモグラ
デ・ウィントン・キンモグラ
JP Le Roux

デ・ウィントン・キンモグラは絶滅した可能性もあると考えられており、野生生物保護団体Re:wildの「最重要指名手配種」に入っていた。

しかし、絶滅危惧種保護団体「エンデンジャード・ワイルドライフ・トラスト」と南アフリカ・プレトリア大学の研究者からなるチームが11月24日、このモグラの生存が確認されたと学術誌『Biodiversity and Conservation』で発表した。

犬と環境DNAテストで突き止める

Re:wildによると、キンモグラは敏感な聴覚を持ち、地上の振動を感知できる。また、砂の下を移動し地表から見えるようなトンネルを残すことはほとんどない。

厳しい条件下でデ・ウィントン・キンモグラを探すため、研究者たちはボーダーコリーの嗅覚を借りて、2021年にキンモグラとトンネルの痕跡を発見した。

しかし、キンモグラは21種類存在しており、外見が非常によく似ている。

採集したサンプルにデ・ウィントン・キンモグラのものが含まれているかどうかを突き止めるために研究者らが使ったのが、動物が残した皮膚や毛、排泄物などを調べる環境DNA(eDNA)検査だ。

約2年にわたり調査を続けた結果、採取したサンプルの一部がデ・ウィントン・キンモグラのDNA型と一致した。

JP Le Roux

研究者たちは、調査を実施した地域でこれまで4匹のデ・ウィントン・キンモグラを確認しているという。

しかし、ガーディアンによると、この地域のダイヤモンド採掘がキンモグラの生息を脅かしており、研究者らは南アフリカの野生生物保護団体などと協力しながら、キンモグラ保護に取り組むとしている。

デ・ウィントン・キンモグラを探す研究者たちを「無駄なモグラたたきゲーム」と考える人たちもいたという。

研究者の一人サマンサ・マイナード氏は、「私たちは大きな希望を抱いていましたが、一部の人に砕かれました。デ・ウィントン専門家の一人からは『あのモグラを見つけるのは無理だ。絶滅している』と言われました」とAP通信に語っている。

ハフポストUS版の記事を加筆・編集しました。

注目記事