デニス・ロッドマン、女子バスケ選手解放のためロシアへ。過去には北朝鮮で金正恩氏と会う

2014年にプーチン氏を「いい奴だ」と述べた、殿堂入り元バスケ選手。今週中にロシアへ行くと明かしました。

元NBA選手のデニス・ロッドマン氏が、ロシアを訪れて身柄を拘束されているWNBAのブリトニー・グライナー選手の解放交渉にあたるとNBCに明かした。

ロッドマン氏は8月21日、ワシントンD.C.で、ロシアへの渡航許可証が発行されたと説明。

「あの子を助けるためにロシアに行く許可を得た」「今週行くつもりです」と話した。

デニス・ロッドマン氏(2019年3月10日)
デニス・ロッドマン氏(2019年3月10日)
Michael Tullberg via Getty Images

金正恩氏と親しい関係を築いてきたロッドマン氏

グライナー選手は、WNBAのオフシーズンにロシアのチームでプレーしていたが、2月に入国した際に、同国では違法とされている大麻成分入りの電子タバコカートリッジを所持していたとして逮捕された。

そして8月4日に、違法薬物所持の罪でロシアの裁判所から懲役9年の実刑判決を言い渡された。グライナー選手の弁護士が判決後に不服申し立てをしているが、詳細は明らかになっていない。

身柄を拘束されているブリトニー・グライナー選手(2022年8月4日)
身柄を拘束されているブリトニー・グライナー選手(2022年8月4日)
KIRILL KUDRYAVTSEV via Getty Images

そのグライナー選手の解放のために訪露するというロッドマン氏。非公式の外交交渉に当たるのは、今回が初めてではない。

ロッドマン氏は2013年、北朝鮮を訪れて最高指導者の金正恩氏と平壌でバスケットボールの試合を観戦。それ以来、何度も訪朝して金氏と親交を深めてきた。

訪朝して、北朝鮮オリンピック委員会副会のソン・グァンホ氏と握手するデニス・ロッドマン氏(左)(2013年9月3日)
訪朝して、北朝鮮オリンピック委員会副会のソン・グァンホ氏と握手するデニス・ロッドマン氏(左)(2013年9月3日)
via Associated Press

さらに、北朝鮮で拘束されていたアメリカ人宣教ケネス・ベ氏解放への関与でも注目された。

ベ氏は、北朝鮮で政府の転覆を図ったとして2013年に15年の強制労働が言い渡された。

ロッドマン氏は2013年5月に「私が『キム』と呼ぶ北朝鮮の最高指導者に、ケネス・ベを自由にするよう求める」とツイートした。しかしその後に発言を撤回。9月の訪朝した時には「ケネス・ベ氏の解放交渉のために北朝鮮に行く訳ではない」と述べた

さらに、ロッドマン氏は2014年のCNNのインタビューで「ベ氏は15年の刑を言い渡されるだけのことをした可能性がある」と発言。この後、酔った状態で出演したと述べ、発言を謝罪した

最終的に、ベ氏は2014年11月に解放された。ロッドマン氏の一連の言動について、「彼のおかげで問題が注目された」とCNNのインタビューで感謝を表明している。

ロッドマン氏はロシアのプーチン大統領についても好意的な発言をしている。2014年にバスケットの試合でモスクワを訪れた後、プーチン氏について「いいやつだ」とFOXビジネスに述べている。

一方、ロッドマン氏は2019年にバーで男性を平手打ちして起訴されるなど、近年複数の問題を起こしている。

ロッドマン氏の今後の行動が注目されるが、AP通信によると、グライナー選手と元海兵隊員のポール・ウィラ氏を捕虜交換で解放させる可能性もあるという。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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