太陽の黒点が不気味で美しい。史上最高の解像度で太陽の撮影に成功

ヨーロッパ最大のグレゴール望遠鏡が、貴重な太陽の姿を捉えました…!
(左)グレゴール望遠鏡(右)新しくデザインされたグレゴール望遠鏡の光学研究所
(左)グレゴール望遠鏡(右)新しくデザインされたグレゴール望遠鏡の光学研究所
L. Kleint, KIS.

かつてない高解像度で太陽の表面の写真が撮影され、その神秘的かつ不気味な表面の様子が公開された。

高解像度で太陽を捉えたのは、スペイン・テネリフェ島テイデ天文台にある、ライプニッツ太陽物理学研究所(KIS)のグレゴール望遠鏡だ。

グレゴール望遠鏡はヨーロッパ最大の望遠鏡で、研究所はドイツ人の科学者たちによって運営されている。

グレゴール望遠鏡によって高解像度で撮影された、複雑な太陽の磁場
グレゴール望遠鏡によって高解像度で撮影された、複雑な太陽の磁場
KIS

写真には太陽プラズマだけではなく、太陽の黒点の詳細な姿もうつっている。

黒点は、太陽の磁場がとても強い場所だ。磁場の影響で太陽の表面から出る熱や光が妨げられ温度が下がるため、周囲が暗く見える。

グレゴール望遠鏡が捉えた太陽の黒点
グレゴール望遠鏡が捉えた太陽の黒点
KIS

グレゴール望遠鏡は2012年に操業を始め、2020年に大規模な改良が加えられた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時的に観測できなくなっていたものの、7月に国境間の移動ができるようになった後に、科学者たちは研究所に戻って写真を撮影した。

改良されたグレゴール望遠鏡では、直径約14億キロメートルの太陽の、50キロメートルの詳細まで捉えられるようになったという。

「これはサッカー場にある針を、1キロ先からはっきり見られるようなもの」と、KISはプレスリリースで説明する。

望遠鏡の改良に携わったルシア・クライント氏は「とてもワクワクすると同時に、極めて困難なプロジェクトでした。わずか1年のうちに、望遠鏡の光学や力学、電子工学を改良して、可能な限り最高の解像度の写真を撮影できました」と述べる。

ドイツのアルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクの教授でKISディレクターのスヴェトラーナ・バーディユージナ博士は、「私たちは、太陽のパズルを解くための手段を手に入れることができました」と、画像が太陽の様々な謎をとく手がかりになって欲しいと期待する気持ちを語っている。

ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。

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