世界一の富豪イーロン・マスクがTwitterを5.6兆円で買収。青い鳥を手に入れる

「Twitterには並はずれた可能性がある」。お気に入りのSNSを手にした富豪は、未来への期待をコメントしました
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NurPhoto via Getty Images

Twitter社の取締役会は4月25日、テスラCEOのイーロン・マスク氏による買収提案に合意したと発表した。

買収額は1株あたり54.20ドル、総額は推定約440億ドル(約5兆6300億円)で、取引終了後にTwitterは非公開企業になる。

お気に入りのソーシャルメディアであるTwitterを手に入れた、現在フォーブスの世界富豪ランキング1位のマスク氏。

「言論の自由は、機能する民主主義の基盤であり、Twitterは、人類の未来に不可欠な話題が議論されるデジタル上の街広場だ」と声明で述べた。

さらに、新機能の追加やアルゴリズムのオープンソース化、スパムボット排除などで、Twitterを改善していくと発表。

「Twitterには並はずれた可能性があります――会社やユーザーたちとその可能性を解き放すのを楽しみにしている」とコメントしている。

強気の買収

ウォールストリートジャーナルによると、マスク氏とTwitter社取締役会は、4月24日に開いたミーティング後に買収に同意した。

すでにTwitter社の株9%を所有しているマスク氏が、全株式の取得を提案したと発表したのは、その10日前の4月14日だった。

提示した金額は1株あたり54.20ドルで、合意の前には買収費用として465億ドルを確保したと明かした

マスク氏は、証券取引委員会に提出した書類で「これは、私ができる最善の提案であり、もし受け入れられなければ、株主としての自分の立場を考え直さなければならない」と強気の姿勢を見せた。

マスク氏は買収理由について「Twitterが、言論の自由を受け入れる場所になることが、非常に重要だと思ったから」と14日にカナダ・バンクーバーで開かれたTEDイベントで説明している。

Twitter社の取締役会は当初、「ポイズンピル」という手法で、マスク氏の敵対的買収に対抗すると述べた。

その一方で、同社はこの手法について「取締役会が、提案をTwitter社と株主にとって最善だと判断した場合に、相手との交渉や買収提案の受け入れを阻むものではない」とも説明していた。

その後、Twitter社の動向に注目が集まっていたが、買収発表まで同社の株式がマスク氏の提示額より低い値段で取引されていたことから、投資家たちは買収を予想していなかったと考えられる。

自らのツイートで招いた災い

これまで、Twitterユーザーとして多くの発信をしてきたマスク氏だが、ツイートが原因でトラブルを招いたこともある。

その一つが、2018年の「テスラを非公開化することを考えている」という投稿だ。この時にマスク氏は「資金を確保した」とも述べた。

証券取引委員会は、このツイートが証券詐欺に当たるとして、同年にマスク氏を提訴。マスク氏は最終的に4000万ドルで示談し、費用の半額はテスラ社が支払った。

さらに示談の条件として、マスク氏はテスラの会長職を3年間外れることや、会社に関する投稿を、事前に会社側に見せることにも同意した。

ロイターによると、マスク氏はバンクーバーのTEDイベントでこの問題について触れ「私は証券取引委員会に、譲歩することを余儀なくされました。あのクソッタレたちにです」と述べた。

また、マスク氏は2018年の投稿を巡って投資家からも訴えられ、裁判所は「主張は誤りで誤解を招く」という判決を言い渡した

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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