俳優の深田恭子さんが「適応障害」と診断を受けたことで、当面の間、芸能活動を休止することになった。所属事務所のホリプロが書面で明らかにしたとオリコンニュースなどが報じた。
それによると深田さんは「昨年春頃から体調を崩しがちとなり、今月に入り医師より『適応障害』と診断されました」とホリプロは報告。「当面の間、治療を優先し、お仕事をお休みさせていただきます」とした。予定されていた7月期のフジテレビ連続ドラマは降板することになったという。
■「ストレスを要因として引き起こされる情緒面や行動面の症状」と定義。 仕事や学業が困難になることも
世界保健機構(WHO)の診断ガイドライン「ICD-10」では、適応障害について「ストレスを要因として引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」と定義している。
また、知恵蔵によると、要因となるストレスについて「職場の人間関係、夫婦間の葛藤を始め、親の離婚、子供の自立、失恋、身体疾患など」をあげており、一時的なものから持続的なものまで幅広いという。
具体的な症状については「抑うつ気分、絶望感、涙もろさが見られたり、不安感につきまとわれ、物事に過敏になったり、心配が高じたりする。仕事や学業に困難が生じ、欠勤や不登校となる場合もある」としている。子供ではケンカや破壊行動、大人でも無謀運転に繋がることもあるという。
アメリカ精神医学会の診断基準「DSM-5」では、「ストレス要因が生じてから3カ月以内に発生し、ストレス要因が解消された後は6カ月以上は持続しない」と書かれている。
■「うつ病」との違いとは?
ストレスが要因で「うつ状態」となる適応障害だが、「うつ病」と似てるようにもみえるが、違いはなんだろう。
厚労省が運営するサイト「みんなのメンタルヘルス」では、適応障害の特徴として「ストレス因から離れると症状が改善することが多い」としている。一方で、うつ病では「環境が変わっても気分は晴れず、持続的に憂うつ気分が続く」として以下のように書いている。
<適応障害ではストレス因から離れると症状が改善することが多くみられます。たとえば仕事上の問題がストレス因となっている場合、勤務する日は憂うつで不安も強く、緊張して手が震えたり、めまいがしたり、汗をかいたりするかもしれませんが、休みの日には憂うつ気分も少し楽になったり、趣味を楽しむことができる場合もあります。
しかし、うつ病となるとそうはいかないことがあります。環境が変わっても気分は晴れず、持続的に憂うつ気分は続き、何も楽しめなくなります。これが適応障害とうつ病の違いです。持続的な憂うつ気分、興味・関心の喪失や食欲が低下したり、不眠などが2週間以上続く場合は、うつ病と診断される可能性が高いでしょう。>
ただし、適応障害と診断されても「5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されています」とも書いている。つまり、適応障害は後に重篤な病気へと変わる前段階の可能性もあるようだ。