アートとカルチャー
2021年10月10日 17時45分 JST | 更新 2021年10月11日 09時37分 JST

「好きなもの着なさいよ。80年間の保証付きよ」ファンキーな祖母の声で“呪い”が解けた。朝日夜さんの体験マンガに反響

「とっても素敵なおばあちゃんですね」「人生の大先輩から最高のお手本」と称賛する声が相次いでいます。

Twitter/asahi_yoru9
朝日夜さんがTwitterに投稿した「祖母の話」より

「年相応の格好」を意識して、好きでもない地味なファッションをしていたある日、ファンキーな祖母から「好きなもの着なさいよ。80年間の保証付きよ」と背中を押された。自分を縛っていた「呪い」が解けたと感じるようになったきっかけだった。

Twitterに10月7日に投稿された6ページの体験マンガ「祖母のおはなし」に、反響が続出している。

10日午後4時現在で約5万3000回の「いいね」が集まり、「とっても素敵なおばあちゃんですね」「人生の大先輩から最高のお手本」「私も、こんな風に歳を取りたい」といった声が上がっている。

 

■20代前半のころ「知らぬ間に自分に呪い」をかけていたが…

Twitterで自身の体験を明かしたのは、『ギャルとぼっち』などの作品で知られる漫画家の朝日夜(あさひ・よる)さん。

朝日さんによると、祖母は「原色が大好き」で年齢にとらわれないファッションを長年、実践しているという。朝日さん自身も祖母の提案で制服のスカートの丈を短くしたり、10代の頃は派手な色の服が好きだったりしたが、20代前半になると「年相応の格好、見つけなきゃだめかな…」と思うようになった。「知らぬ間に自分に呪い」をかけていたという。

そんなある日、久しぶりに実家に帰った朝日さんに祖母は「また地味な服になったわね。夜ちゃん、派手な色の短い服とか好きだったじゃない!」と声をかける。朝日さんは「もう私10代じゃないんだよ、ばあちゃん」と言ったところ、祖母は「もうすぐ80歳の私になーに言ってんのよ!」と笑い飛ばした。

「好きなもの着なさいよ。今のところ私の服装に対して迷惑だなんて言ってくる人いなかったから!80年間の保障(原文ママ)付きよ!」と朝日さんを励ましたという。

 

■祖母の言葉に「その通りだなと、その時着ていた好きでもない服を見つめてとても反省しました」

このときの祖母の発言について朝日さんは「その通りだなと、その時着ていた好きでもない服を見つめてとても反省しました」とハフポスト日本版にコメントしている。朝日さんはその月に思い切って、髪の毛の色を緑に染めてみたところ「自分に付いている呪いのようなもの」が取れたように感じたという。

80代になった祖母は耳が遠くなり、足が悪くなって自転車にも乗れなくなったが今も元気。朝日さんのもとには最近でも「黄色いニットかぶってサングラスをしてた」と地元の友達から目撃情報が送られてくる。「自分もばあちゃんを見習って好きな髪色、好きな服を着て外を歩くおばあちゃになるのが今のところ目標です」とマンガは結ばれている。

朝日さんは今回の体験マンガを描いた理由を「決して派手な服を着た方がいいと言うわけではなく、自分の好きな服を年齢やしがらみに邪魔されないで着てほしいと思って描きました」とハフポスト日本版にコメントした。

その上で「思ったよりも多くの呪いにかかった方がたくさんいて悲しくもあり、そして解放された方も同様にいて、描いてよかったと思っています」と振り返っている。

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朝日夜さんがTwitterに投稿した「祖母の話」1P目
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朝日夜さんがTwitterに投稿した「祖母の話」2P目
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朝日夜さんがTwitterに投稿した「祖母の話」3P目
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朝日夜さんがTwitterに投稿した「祖母の話」4P目
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朝日夜さんがTwitterに投稿した「祖母の話」5P目
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朝日夜さんがTwitterに投稿した「祖母の話」6P目

■朝日夜さんとの一問一答

―― ご祖母様が好きなファッションとは?

私の祖母は原色が大好きで、真っ赤なスーツのセットアップや黄色のジャケット、紫のサングラスなどを好みます。足元までオレンジや黄色の、ヒールのないパンプスを履いていてとてもおしゃれですね。

―― 年齢にとらわれないファッションをしているご祖母様を見て、どう感じてましたか?

祖母のことを恥ずかしいなと思う時もありました。ですが年齢を重ねると見えてきたことですが、奇抜なデザインな服を着こなす白髪の祖母はおしゃれだなと気付きました。

―― ご祖母様から「好きなものを着なさいよ」「80年間の保証付きよ」と言われたとき、朝日様はどう感じましたか?

その通りだなと、その時着ていた好きでもない服を見つめてとても反省しました。

―― 漫画だと、このシーンのご祖母様の髪の毛の色が緑色っぽく見えますが、実際にはどんな色だったでしょうか?

祖母は白髪のロングヘアだったのですが、時々みどり色が混じったり紫色が混じったりと、とても綺麗でした。それを見て私もいずれ来る白髪は、楽しもうと決めています。

―― 朝日様が髪の毛を緑色にした理由は何でしょう?また、今は違う色でしょうか?

髪を染める行為は、なにか自分に付いている呪いのようなものを取る儀式の一つだったように思えます。私はそこから自分の服装が変わったような気がしています。現在は緑はやめて、毛先が金色のグラテーションカラーを楽しんでいます。

―― 今回の漫画には1万7000件を超える「いいね」がついており、「元気をもらった」という声も相次いでますが、こうした反響を朝日様はどう感じてますか?

一つ誤解があったら私の力不足で申し訳ないと思うのですが、決して派手な服を着た方がいいと言うわけではなく、自分の好きな服を年齢やしがらみに邪魔されないで着てほしいと思って描きました。そして思ったよりも多くの呪いにかかった方がたくさんいて悲しくもあり、そして解放された方も同様にいて、描いてよかったと思っています。

―― この場合の「呪い」とは、どんなものですか?

「こうであらなければならない」という決めつけが呪いになっているのではないかと思います。コメントを見ていると、人から言われ自分の好みの格好を改めてしまった方もたくさんいましたが、その言葉を放ってきた方もまた、私がかかった同じ呪いを持った方だと思っています。

―― 冒頭の朝日様のキャミソールを、ご祖母様が着ていた冒頭の出来事はいつごろでしょうか?

漫画でのお話冒頭は、私が高校生の頃の出来事でした。祖母と身長も体型も似ているためよく洗濯物が入れ替わっていたりしましたが、祖母が気づかずに着ていることもよくありました。ちなみに今でもお互いの服を交換したりしています。

―― 「もう私10代じゃないんだよ」と朝日様が言ったあと、ご祖母様から「好きなものを着なさいよ」と背中を押された時期は、いつごろでしょうか?

私が20代前半の時に言った言葉でした。周りの人たちが就職や卒業で落ち着いた服装になっていた時に感じた孤独からそうなっていたと思います。

―― 現在はご祖母様は80代でしょうか?

80代です。腰は深く曲がってきてしまいましたが、ファッションは変わらず奇抜でおしゃれな祖母です。