死にたいという気持ちを乗り越える方法。経験した人たちにシェアしてもらいました

希死念慮を抱いた時、対処するための「コーピングスキル」が助けとなるかもしれません

もう死んでしまいたい――苦しい時に希死念慮を抱くと、他に方法はないと思ってしまうかもしれません。

そんな時は、カウンセリングや治療を受けることが重要ですが、前もってコーピングスキルを知っておくことも、大きな助けとなります。

コーピングスキルとは、ストレスのかかる状況に対処する、様々な方法です。

このスキルを使って、心の痛みや苦しみを緩和できたという人たちが、自らの経験をシェアしてくれました。

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楽しみな出来事をリストにしてみる

ライターのスカイ・フィッシャーさんは、15年以上希死念慮に対処してきました。

苦しい時には、楽しみにしていること全てをリスト化して乗り越えた、と話します。

「弟の成長や、行きたいコンサート、憧れの場所……。楽しみにしていることを考えると、現在の状況が絶望的でも、将来に希望が持てます」

あなたを必要としている相手のことを考える

希死念慮に苦しんでいる人の中には「自分は誰かの負担になっている」と感じている人も少なくありません(もちろん、そうではありません!)

そんな時には、あなたを愛し必要としている相手のことを考えてみることが、助けになるかもしれません。

フリーランスライターのジェニファー・マクモローさんは「一番苦しい時に私を思い止まらせてくれるのは、2匹の猫です」と話します。

「この2匹に餌をやり、病院に連れて行き、大切にできるのは私だけだということを、思い出すようにしています」

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焦らなくていい。今できることだけをやる

苦しい時、将来に目を向けるのは難しいかもしれません。

大学で心理学を学ぶリヴ・スタージョンさんは「一歩ずつ進めばいい」と考えることで乗り切ってきました。さらに、その経験を思い出すことも助けになったといいます。

「これまでも、人生で一番つらい時を乗り越えてきたんだと思い出すことで、物事は必ず良くなるという希望を感じることができました」

さらに、目の前の時間を乗り切る中で、友人と話して気を紛らすことなども助けになったというスタージョンさん。

「私は心の病以上の存在で、幸せを受けるに値するんだと自分自身に言い聞かせることができました」

弁証法的行動療法を試してみる

弁証法的行動療法(DBT)とは、心の痛みや激しくつらい感情に対処するための、認知行動療法の一つです。

さまざまな対処方法が提案されており、カウンセラーと相談しながらでも、一人でもできます。

自殺未遂経験のあるプロデューサーで俳優のシェイラ・フーラハンさんは「DBTで不快な出来事を止められるわけではありませんが、不快なことにうまく対応できる助けになりました」と話します。

中でも、フーラハンさんが実際にやって役立ったのは次の方法だといいます。

・冷たい水に頭を浸す

フーラハンさんは、冷たい水に氷を入れ、深呼吸して15秒顔をつける方法で、自律神経が落ち着いたといいます。

・気分転換する

さらに、落ち込んでいる時には、以前に見たお気に入りのテレビ番組や映画を観賞することで、気分転換したそう。

「すでに内容を知っているので、感情をかき乱されることがなく、安心して気持ちがコントロールできる状態になります」

他にも読書や散歩、部屋の掃除、入浴、ゲーム、絵を描くなど、様々な気分転換の方法があります。

信頼できる友人や家族とつながる

死にたいと感じる時は、誰とも会いたくないかもしれません。しかし大切な人とのつながりは助けになります。

退役軍人のダニー・メイベリーさんは「信頼できる家族や友人など、自分を受け入れてくれる人たちに、正直な考えや気持ちを話した」と振り返ります。

同じくジェニファー・マクモローさんも、自分と同じ苦しみを経験した友人とのつながりに救われたそうです。

「これは、そんなに簡単なことではないんです。(希死念慮を抱く時は)人と距離を置きたいと感じますから。だけど私は自分の経験から、同じ苦しみを知っている人と話をすることを勧めています」

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楽しみながら体を動かす

運動には、不安やネガティブな感情を減らし、自己肯定感を高めてメンタルヘルスを改善させる効果があることが、研究からわかっています。

必ずしも屋外やジムで激しい運動をする必要はありません。短い散歩やストレッチなども助けになります。

フリーライターのモニカ・ロマーノさんは、ウォーキングで心が安らいだといいます。

「特に水辺を散歩して、波と一緒にストレスや不安が引いていく様子を想像することで、頭が空っぽになりました。そして、感謝できることがあるんだ、と思えるようになりました」

楽しみな旅行などの計画を立てる

政治学者のグレアム・ブレアさんは、旅行の計画で救われてきました。

「10代の頃から、希死念慮が特に強い時には『何もかもを投げ出したくなったら、フィジー行きのチケットを買えばいい』と考えるようにしてきました。仕事や私生活のストレスをすべて忘れて、ビーチで過ごすことを考えると心が安らぎました」

たとえ今すぐ行けない旅行であっても、計画を立てること自体を楽しみ、旅先を想像することで、気持ちが明るくなるかもしれません。

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愛する人のことを考える

あなたに罪悪感を抱かせるために、愛する人のことを考えてほしいのでありません。

あなたは、自分が考えているより愛されていて、最悪の事態は周りの人々に影響を与えるということを思い出してもらうために、考えてほしいのです。

退役軍人のブレット・Cさんは「私を思い止まらせたのは、死んだ後に後片付けをしなければならないのは両親であり、それは彼らにとってどれだけつらいだろうという考えでした」と振り返ります。

希死念慮を抱える人たちを、20年以上診療してきた臨床ソーシャルワーカーのキャサリン・グレイザーさんは、家族の写真を見たり、カウンセラーにメールしたりすることで、死にたいという気持ちを乗り越えてきた人たちもいるといいます。

「多くの人は気づいていませんが、あなたがいなくなったら、あなたを知るすべての人の世界は変わってしまうということを知ってほしいと思います」と話します。

さらにグレイザーさんは「希死念慮は永遠には続かないものであり、乗り越えるための助けがあることを知ってほしい」とも訴えます。

つらい時には、コーピングスキルなどを使い自分に優しく接してください。あなたはそれを十分に受けるに値します。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

生きるのがつらいと感じている人や、周りに悩んでいる方がいる人たちなどに向けて、以下のような相談窓口があります。

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