「黙っていられなかった」ロシア国営放送で戦争に反対した編集者、行動理由をCNNに明かす

生放送中にプーチン政権を批判したオフシャニコワ氏は「自分の信念と私たちがテレビで伝えていることの間で乖離が生じていた」と語っています
罰金を支払い釈放された、第一チャンネル編集者のマリーナ・オフシャニコワ氏(2022年3月15日)
罰金を支払い釈放された、第一チャンネル編集者のマリーナ・オフシャニコワ氏(2022年3月15日)
- via Getty Images

ロシア国営放送「第一チャンネル」のニュース番組で、プーチン政権のウクライナ侵攻に反対したマリーナ・オフシャニコワ氏が、「人生は決定的に変わった」とCNNのインタビューで語った。

第一チャンネルの編集者であるオフシャニコワ氏は3月14日夜、ニュース番組のセットに乱入して、キャスターの後ろで「NO WAR(戦争反対)」「プロパガンダを信じないで。彼らはあなたに嘘をついている」と書かれたポスターを掲げた

オフシャニコワ氏はその後、ロシア当局に身柄を拘束され、15日に3万ルーブル(約3万4000円)の罰金を支払って釈放された。同氏は約14時間尋問されたと話している。

「黙っていられなくなった」

オフシャニコワ氏は翌16日にCNNのインタビューに答え、世界を驚かせた抗議活動について「やるという気持ちは自然と生まれたものの、自分の中で長い間かけて醸成されてきた」と語った。

「私の中で、認知的不協和がどんどん大きくなっていました。自分の信念と私たちがテレビで伝えていることの間で乖離が生じ、毎年不満感が膨らんでいました。それがこの戦争で引き返せないところに達し、黙っていられなくなったのです」

ロシア政府はウクライナに侵攻した後、自国の軍事活動に関して「虚偽」の情報を広げた場合に罰金や最大15年の禁固刑や懲役を科すなどして、報道や言論の自由を弾圧してきた。

オフシャニコワ氏は「セットに乱入する直前まで恐怖感を感じており、自分の行動が期待するような影響を与えないのではないかと心配した」とも話した。

同氏は、拘束された後に電話を没収されたために同僚と話せていないものの、インターネットで複数の国営放送スタッフが辞めたことを知ったと明かしている。

「これは公のデモになっていると思います。多くの人が、現実と私たちが放送で伝えていることが分離していると感じていますから」

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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