「審判だって人間」。誤審で謝罪した審判団を上原浩治さんが賞賛

審判団がすぐに誤審を認め、謝罪したことがSNSで反響を呼んでいます
3月20日に開かれた敦賀気比と広陵の試合
3月20日に開かれた敦賀気比と広陵の試合
時事通信社

「大変申し訳ありません」――3月20日に開かれた選抜高校野球大会の試合で、審判が誤審を認め、謝罪したことが反響を呼んでいる。

どんな誤審だった?

誤審があったのは、大会2日目第1試合・敦賀気比(福井)と広陵(広島)の試合だ。

4回裏ノーアウト1塁の状態で、攻撃していた広陵がバント。

1塁線上に転がった打球はファウルゾーンに出たようにも見えたが、イレギュラーバウンドをして最終的にフェアゾーンで止まった。

しかしこの間、2塁塁審が誤ってファウルのジェスチャーをしたために、2塁へ向かっていた1塁ランナーが戻ろうとしていた。

そのため、フェアだったボールが1塁に送られて打者ランナーがアウトになり、1、2塁間で挟まれた1塁ランナーもアウトになった。

「審判だって人間」

その後、この一連のプレーを審判団が協議。尾崎泰輔球審がマイクを使って球場全体に「2塁の塁審が誤ってファウルのジェスチャーをしたため、ランナーを止めてしまった」と説明した。

さらに「捕った打球で打者走者を1塁でアウトにしようという守備行為でしたので、私たちの間違いでした」と誤審を認め「大変申し訳ありません」と謝罪した。

そして、アウトにした1塁ランナーを2塁へ進め、1アウト2塁で試合を再開した。

審判団が誤審を認めて謝罪をするのは珍しく、SNSで「ミスを認める姿勢は素晴らしい」などの肯定的な反響が多数投稿された。

元プロ野球選手で野球解説者の上原浩治氏も、Twitterに「審判だって人間」と投稿。

「100%の人なんていない。間違いを認めることも大事だと思います」と述べて、審判団の判断を賞賛した。

スポーツでは誤審は避けて通れないものだが、試合結果を左右することもある。

プロ野球では、2021年に優勝争いをしていたヤクルト・スワローズが、1点差だった9回に誤審が絡んだダブルプレーで試合終了となり、監督が強く抗議した出来事があった。

この時、試合中に誤審についての説明や謝罪はなく、球団が判定について明確な説明を求める意見書を提出した後に、NPBが謝罪した。

今回の判定では、審判団がすぐに誤審を認めて謝罪し、両者が納得できるよう判定を変えたことが、高く評価されている。

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