寿命を延ばす「8つの生活習慣」とは?新研究でわかったこと

8つを実践していた人は、平均寿命が20年以上も長かったといいます
イメージ画像
Benjamin Tan via Getty Images
イメージ画像

7月に開かれたアメリカ栄養学会の年次総会で、寿命を延ばす可能性のある生活習慣について、新たな研究結果が発表された。

研究は、2011〜2019年に「ミリオン・ベテラン・プログラム」に参加した、40〜99歳までの71万9147人を対象に行われ、寿命を延ばす可能性のある8つの生活習慣が明らかになった。

【寿命を延ばす可能性のある8つの習慣】

・運動
・良好な社会関係
・良い睡眠習慣
・定期的な大量飲酒を避けること
・健康的な食習慣
・喫煙経験がないこと
・ストレスを最小限に抑える
・オピオイド依存がないこと

調査の結果、40歳の時点でこれら8つの行動を実践していた人たちは、一つも実践していない人と比べ、女性は平均約21年、男性は約24年寿命が長くなることがわかった。

また、メディカル・ニュース・トゥデイによると、これらの8つの生活習慣を実践していた人は、していない人に比べて、研究期間中の死亡率が13%低かった。

40歳過ぎても始められる

研究のニュースリリースによると、最も長寿の効果が見られたのは8つの生活習慣すべてを実践した人々だった。その一方で、このうちの幾つか、もしくは1つだけ取り入れていた人にも寿命が延びる効果が見られた。

さらに、これらの生活習慣を取り入れるのは早ければ早いほどよかったものの、40代以降でも、有益な効果が見られたという。

イメージ画像
d3sign via Getty Images
イメージ画像

最も効果がある行動は?

健康で長生きするためには、8つの生活習慣すべてを実践することが重要である一方で、この8つの中でも特に影響力が大きいものがあることもわかった。

寿命に最も大きな影響を与えるのは、運動不足と喫煙の経歴、オピオイドの使用で、これらの生活習慣がある人は、ない人に比べて死亡リスクが30〜45%高かったという。

一方、ストレスや飲み過ぎ、偏った食生活、睡眠環境不良の死亡リスクは約20%高く、良好な社会関係の欠如は5%だった。

この結果は、生活習慣改善の優先事項を考える上で参考になりそうだ。

コネチカット大学の高齢者専門医であるパトリック・コル博士(研究には携わっていない)は、高齢の患者にとって最も重要なのは運動で、筋力の強化によって自立や転倒予防を可能にするだけではなく、心理的な効果まで多くのメリットがあると述べる。

「運動をした後は、大抵気分が良くなります。私が高齢者に最も勧めているのは、定期的な運動です」

コル博士は、運動には大きくわけて3つの主要な領域があるとも説明する。

「筋肉を強化する筋力トレーニング、心拍数を上げる有酸素運動、そしてバランスと柔軟性にわけられます」

コル博士によると、私たちは年齢を重ねるとともに徐々に(そして気づかないうちに)筋力を失っており、気付いた時には元に戻すのが難しい、という場合が珍しくない。

「筋力が低下すると、転倒しやすくなるなどさまざまな問題が生じます」

高齢になっても自由に動き回れる人はたくさんいるものの、24時間のケアが必要になる場合もある。自分でトイレに行けなければ、独り暮らしは難しいだろう。

コル博士は運動、中でも筋力トレーニングを重視することで、強い体を維持し自由な移動が可能になると述べる。

すべての人が同じようにできるわけではない

より良い生活習慣を取り入れる上で忘れてはならないのは、社会には不平等が存在するということだ。

コル博士は住む場所や収入、文化によって、摂取できる栄養や運動できる環境、得られるコミュニティサービスなどが異なると指摘する。

「生活習慣の重要性を伝える時には、すべての人がライフスタイルを変えられるわけではない、という事実を配慮する必要があると思います」

また、研究者たちは、今回行われたのは観察調査であり因果関係を証明するものではない、つまり、これらの生活習慣が長寿の原因だと決定づけるものではないとしている。

その一方で、研究結果は、慢性疾患の予防や健康な加齢に生活習慣が影響を与えているという近年の多くの調査結果と一致しているとしている。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。