スナク氏、どんな人?コーラ大好きな富豪が英首相に。知っておきたい8つのこと

国会議員当選後、わずか7年で首相になるスナク氏。知っておきたい8つのポイントとは
リシ・スナク氏
リシ・スナク氏
Jeff J Mitchell via Getty Images

リズ・トラス氏の後任として、リシ・スナク元財務相がイギリスの首相に就任することが決まった。   

スナク氏は1980年生まれの42歳。両親はインドにルーツを持つ東アフリカからの移民で、イギリス初のアジア系首相が誕生することになる。

スナク氏は2015年に国会議員に初当選した後、2020年にジョンソン政権の財務相に任命された。

国会議員になる前は、ゴールドマン・サックスやヘッジファンドで働いていた。

また、妻のアクシャタ・マーティー氏は、インドのIT企業・インフォシス共同創業者の娘であり、夫妻は富豪としても知られる。

国会議員当選後、わずか7年で首相になるスナク氏とはどんな人物なのか。

1. コロナの雇用維持からはじまった

スナク氏は2020年、国会議員に当選してから5年目で財務相に就任し、その1カ月後に、企業向けの新型コロナウイルスの雇用維持計画を発表した。

これは一時帰休(furlough)と呼ばれる計画で、従業員を一時的に休ませて雇用を継続する雇用主に対して、政府が月2500ポンドを上限に賃金の8割を補助した。

2. 夏には「外食して支援」

さらに、トラス氏は最初のロックダウンが解除になった後、新型コロナで打撃を受けている外食産業や観光業を支援する「Eat Out To Help Out(外食して支援しよう)」を打ち出した。

このプログラムは、加盟しているレストランやパブで食事をした場合、一人10ポンド(約1660円)を上限に、政府が半額分を補助するという内容。利用回数の制限なく誰でも利用できた。

経済を後押ししながら、通常の生活に戻すことを目的にしたものだったが、その一方で「外食する余裕のある裕福な人々のための制度だ」という批判もあった。

「Eat Out To Help Out(外食して支援しよう)」ステッカーを貼る、スナク氏
「Eat Out To Help Out(外食して支援しよう)」ステッカーを貼る、スナク氏
Jeff J Mitchell - PA Images via Getty Images

3. 誕生日パーティー参加で謝罪

新型コロナで他者との接触が厳しく制限されていた2020年6月、スナク氏は官邸で開かれたジョンソン首相(当時)の誕生日パーティーに出席。

この件で2022年4月に罰金処分を受け、「国民の不満と怒りを引き起こしたことを深く反省している」と謝罪した。

4.「コーラを好きすぎる」と明かす

スナク氏は2019年、2人の学生に「コーラとペプシどちらが好きか」と聞かれ「コーラが好きすぎる」と明かした。

さらに「若い頃にコカ・コーラをたくさん飲んだので、歯に詰め物が7つあります。おすすめできません」とも述べた。

ちなみに、スナク氏の一番のお気に入りはメキシカンコーラだという。

5. 妻の税金不払いが問題に

スナク氏の妻のアクシャタ・マーティー氏は2022年4月、英国で非定住者として登録されているため、海外所得の納税が免除されていることが明らかになった

そのため、所有しているインフォシス株の配当金などの税金を支払っていないことに対し、イギリス国内で大きな批判が起きた。これを受け、マーティー氏はスナク氏の業務に支障が生じないよう、イギリスで税金を払うとした。

タイムズ紙によると、マーティー氏とスナク氏の総資産は7億3000万ポンドで、イギリスの長者番付の222位にランクインしている。

またスナク氏は20代だった2001年、「労働者階級の友人がいない」と発言

2022年には、自ら車に給油する写真を撮影したものの、その車がスーパーの従業員のものだったことが明らかになった

Confirmed by Treasury sources that this Kia is not Rishi Sunak’s car but is actually owned by a Sainsbury’s employee. The Chancellor apparently paid for the petrol. pic.twitter.com/xCXPucEvX3

— Ben Kentish (@BenKentish) March 24, 2022

こうした背景から、スナク氏には「庶民感覚がわからない」との批判がつきまとう。

6. 財務相時代もグリーンカードを持っていた

スナク氏は2022年、財務相に就任した後もアメリカの永住権(グリーンカード)を保持していたたことが明らかになった。

スナク氏の代理人は、アメリカ在住時にグリーンカードを取得したと説明。財務相就任後も持ち続けていたものの、その後返還したと述べた。

代理人は「すべての法律と規則を遵守しており、グリーンカードを保持している間、必要な税金は全額支払っていた」と説明している。

7. 仮想通貨好き?

スナク氏は2022年4月、生活費が高騰している状況を受けて、王立造幣局(The Royal Mint) がNFTを発行する計画を明らかにした

この時「イギリスを暗号資産技術のグローバル・ハブにするのが私の目標だ」と述べている。

これに対し「現実からかけ離れている」という批判が起き、一部専門家から「仮想通貨は根本的な価値がなく、規制不足や詐欺の問題がある」という声も上がった。

暗号資産に積極的なスナク氏だが、この時のNFT提案は、仮想通貨が大暴落した後に撤回した。

8. コロナ禍で「科学者に権限が与えられすぎた」と主張

スナク氏は、8月に行われた与党・保守党の党首選挙で、「新型コロナが拡大した当初、ロックダウンについて妥協点を話し合うことが許されなかった」と主張

「我々は、ああいった形で科学者に権限を与えるべきではなかった」と述べたほか、「人工呼吸器を使っている患者のポスターなどの画像で人々を怖がらせるのは間違っている」と語った。

ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。

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