森会長、謝罪会見の「男性、女性そして両性」発言に疑問の声も

森会長は「女性と男性しかいないんですから。もちろん両性というのもありますけどね」と発言した。
記者会見で、記者の質問に答える森喜朗会長=2021年2月4日
記者会見で、記者の質問に答える森喜朗会長=2021年2月4日
Pool via Getty Images

東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が2月4日、前日のJOC臨時評議員会での発言について、記者会見を開き謝罪した。

この15分ほどの会見の中で、多様性のある社会についての質問に対し、森会長は「女性と男性しかいないんですから。もちろん両性というのもありますけどね」と発言した。

「両性」という言葉は、女性と男性の枠に限定しない性別のXジェンダーやノンバイナリーを意味した可能性はある。しかし、性的少数者の当事者たちへの配慮としては、乱雑な言葉遣いともとられ、森会長の「両性」発言にSNSなどで批判が出ている。

Twitterなどでは、
「LGBTQなどに配慮しなきゃと考えがよぎったのだろうが、出てきた言葉が”両性” 」
「知識の無さを露呈したにすぎない」
「男性と女性と『両性』という括りで社会を語る。正直、話になりません」
「国際社会にさらに恥をさらした」
「インターセックスの人のことを言いたかったのか? だとしても「両性」と呼ぶのは蔑視的」
「考え方のアップデートができていない」
などと批判する声が相次いでいる。

発言は、以下のようなやりとりの中でされた。

Q 女性登用についての基本的なお考えは。森会長は多様性のある社会を求めているわけでなく、文科省がうるさいから登用の規定があるという認識か?

森会長
そういう認識ではありません。女性と男性しかいないんですから。もちろん両性というのもありますけどね。どなたが選ばれてもいいと思います。あまり僕は数字にこだわって何名までにしなきゃいけないというのは、一つの標準でしょうけどね。それにあんまりこだわって、無理なことはなさらない方がいいなと。それを言いたかったわけです。

Q昨日の「文科省がうるさいから」というのは、数字についてという意味か

森会長
うるさいからというのは変で、そういうガバナンスを示されて、みんながそれを守るために大変苦労されているようです。私は今、どこの連盟にも関係していませんが、ただ、いろんな話がいろいろ入ってきます。その話を総括して、会議の運営は難しいですよと、昨日山下会長に申し上げたわけです。


森会長は、2月3日の臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」などと発言していた。【ハフポスト日本版・井上未雪】

会見場に入る森喜朗会長=2021年2月4日
会見場に入る森喜朗会長=2021年2月4日
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