新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
2020年04月26日 11時39分 JST | 更新 2020年04月26日 12時30分 JST

ナイアガラの滝から観光客が消えた。緊急事態宣言から1カ月経ったカナダの生活は?

カナダのナイアガラフォールズ市に家族で住む40代日本人女性が、ハフポスト日本版の取材に答えた。

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左=ナイアガラの滝の人気スポット、滝の水が落ちるテーブルロック(4月8日撮影) 右=土産物屋やアトラクション、レストランなどある繁華街「クリフトンヒル」(4月19日撮影)

世界有数の観光名所「ナイアガラの滝」で知られるカナダの都市から観光客の姿が消えた。新型コロナウイルスの感染拡大で、3月17日からオンタリオ州で緊急事態宣言が発令されているからだ。期間は延期されて現在は5月12日までとなっている。

緊急事態宣言で生活が一変したナイアガラフォールズ市に家族で住む40代日本人女性が、現在の暮らしについて、ハフポスト日本版の取材に答えた。

 

 ■「観光客はほとんどいない」

――― 現在はナイアガラの滝の周辺に観光客の姿はありますか?

ホテル、レストラン、アトラクションなどの観光施設はすべて閉鎖されているので、観光客はほとんどいないと思われます。しかしながら、地元の住人で滝の周辺を散歩したりドライブしたりする人はいるようです。ナイアガラ川を橋で渡ればアメリカですが、国境は一般の人の行き来用には閉鎖されています。不可欠なサービスのため、つまり運送トラックや、仕事のためなどには出入国できる状態です。

――― 緊急事態宣言で生活はどう変わりましたか?

不要不急の外出は控えて、自宅に滞在することが求められています。ほとんどの小学校、高校、大学などは3月15日より閉まっています。22日以降、チャイルドケアなどの施設も閉鎖されました。不可欠なサービス以外の職場も段階的に閉鎖されています。例えば、歯科医や自動車修理店なども一部の緊急用以外閉まっています。

――― 外出自粛要請ということですが罰則はないのですか?

同居する人とであれば、散歩などは罰則はないです。ナイアガラフォールズの市長は「健康の為に良いですよ」と今のところは推奨しています。ただ、やはり人が多く集まると問題になると思います。私たちも、人がいる所は避けます。人が周りに居ない事を確認の上、散歩しています。

――― 緊急事態宣言になってから、ご家族の仕事や生活はどのように変わったでしょうか?

高校生の娘は休校になった3月15日以降は、散歩以外は家にいて、友達と会うこともありません。携帯電話のアプリ等使って友達とゲームしたりコミュニケーションをとっています。

夫は主に歯科医療用品を扱う会社に勤めているため今も働いていますが、歯科医や歯科大学などはほとんど閉鎖されているため出勤日は3分の1程に減らされています。多くの企業が政府から特別支援を受けているため従業員の給与は、多少の減給は会社によりあるようですが、大きな変化はないようです。

私は3月17日の緊急事態宣言以降、職場のホテルが閉鎖となり、一時解雇となり、散歩、買い出し以外は家にいます。一時解雇はこちらでは普段から冬の経済が活発でない時などにある一般的な措置です。

このような一時解雇された人や、子供の養育、家族の看護で働けない人など多くの自宅待機者に対しては政府からの特別救済支援金が出ています。これは1人毎週500カナダドル(約38000円)が16週間ほど出るほか、失業保険も使えます。

――― 高校生の娘さんは、休校中もオンライン授業などはありますか?

Google Classroomというウェブサービスやその他のアプリ、メールなどを通して課題が出たり、テストをしたりしています。量はさほどではないと思います。いまのところ、ライブ配信の授業等はないようです。

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左=ナイアガラの滝周辺の遊歩道(4月8日撮影) 右=国境のカナダ側入国ゲート。いつもは多くのゲートが開き沢山の車があるが、数台の車のみ(3月18日撮影)

 

――― 日本では緊急事態宣言が出たものの、外出自粛や営業自粛要請に強制力はなく、スーパーに人が密集していることが問題になっていたりしています。そちらではどうでしょうか?

たとえ家族でも家に住人以外の人を呼んで集まったりするのは刑罰の対象になります。近隣のブランプトン市では庭で人を呼んでバーベキューした人で罰金を科せられた人がいると地元紙で報道されていました

こちらの各スーパーではそれぞれ対策をしていて、入口での入場制限、店内での順路の設定、人の距離を2メートル以上開ける、1人で買い物する……などのルールを設定しています。

ここ最近ではマスクや使い捨て手袋をしている人も多くいます。早朝の時間をシニアの方限定とする店も多いです。オンラインのデリバリーサービスや注文の品を店先に先に用意してくれるピックアップサービスをしているスーパーもあります。

私のまわりの知人は買い出しを1週間に1度程度にしている人が多いです。私は2週間に1度にしています。 

――― 近隣にある大都市トロントと、ナイアガラフォールズでは規制は違うのですか?

 ほぼ似たような規制ですが、大きく違うのは公園やハイキングコースなどがナイアガラでは閉鎖されてないところですね。ナイアガラでも、子供の遊具は使用禁止になっています。あとは、競技場やサッカー場、野球場、ドッグパークなどもナイアガラでは閉まっています。

ハイキングコースは先日、行ったら結構人がいて、どうやらトロント方面から来ている人達がいて。後から警察が取り締まりに来ているようでした。注意程度だとは思いますが……。

――― 早めに緊急事態宣言が出たカナダから見て日本の状況はどう感じていますか?

多くの必要不可欠でない店やサービス、オフィスがいまだ営業をしていたり、多くの人たちがそれを利用したりそのために出勤しているのを日本のニュースなどで見ると心配になります。

気分転換がてら毎日スーパーに来ているという人のニュースも見ました。カナダでもルールを守らない人やアジア人差別などあるように個人の考えや意識の違いもあると思います。

日本政府の法的拘束力がないとか、政府からの個人、企業への援助金などの問題もあるかと思いますが、このウイルスの問題は世界全体で立ち向かわないと収束しない問題だと思うので、私個人としては日本の今の状況は不安です。

■ナイアガラフォールズの画像集

Xinhua News Agency via Getty Images
観光客の姿が消えたナイアガラの滝(カナダ側で4月15日撮影)
Xinhua News Agency via Getty Images
ナイアガラフォールズ市内にある繁華街「クリフトンヒル」。土産物屋やアトラクション、レストランなどがあるが店が閉まり、現在は閑散としている。(4月15日撮影)
Xinhua News Agency via Getty Images
臨時休業中のナイアガラフォールズ市内のショッピングモール(4月15日撮影)
Xinhua News Agency via Getty Images
繁華街「クリフトンヒル」にあるパターゴルフ場「ダイナソー ・アドベンチャー ・ゴルフ」も臨時休業中(4月15日撮影)