お菓子は「職場」に必要なのだ。2020年、新型コロナで新しい魅力に気付いた

リモートワークが増えて職場の仲間たちと直接会うことが減った分、同僚にお菓子をあげることで、社内コミュニケーションのツールとして活用する人がいるという
Five via Getty Images

新型コロナウイルスの影響で、リモートワークが活発になった2020年。日本人の働き方が大きく転換した1年だったが、実は職場での「お菓子の位置づけ」も変わって来ている。  

私の個人的意見だが、これまでは、オフィスの机の引き出しにしのばせて、つまみ食いをするのが職場でのお菓子の楽しみ方の「定番」だったように思う。

だが、新型コロナがきっかけとなり、お菓子の新しい魅力が発見されつつある。大手菓子メーカーによると、リモートワークが増えて職場の仲間たちと直接会うことが減った分、同僚にお菓子をあげることで、社内コミュニケーションのツールとして活用する人が増えたという。

また、家にいる時間が長くなったため、主食と間食の区別があいまいになったことで、「しっかりとしたお菓子」を食べたいと思う人も目立ってきている。

日々、目まぐるしく変化し続けた2020年。お菓子と私たちの関係を振り返りたい。(ライター・石川香苗子)

大変な一年だったから、リアルで会える一瞬を大事にしよう

 「ハイチュウ」や「おっとっと」「DARS」で知られる森永製菓が開発した「おかしプリント」というサービス。

馴染みのお菓子に、会社のロゴや商品の名前、マンガ風のイラストなどを入れることができ、デザインを入稿するとほんの2週間ほどで完成。注文は最低50個、1万円台からOKだ。

これまでは、会社のサービスのPRや展示会のノベリティなど様々な使い方が想定され、千数百社の企業が使ってきた。

森永製菓によると、新型コロナの影響で、「おかしプリント」の新しい使い方も増えて来ているという。会社の部署内の打ち上げや、新しい企画が発表されたときなどに、オリジナルなロゴをプリントし、同僚や上司が渡し合うなど社内のコミュニケーションツールとして使うそうだ。

同社の担当者は「新型コロナでリモート会議が増えた分、直接会ったときは深いコミュニケーションが求められる。単に話すだけでなく、お菓子を渡すことでお互いの関係を深めているのではないか」と話す。

イベントの企画・制作をおこなう株式会社イベント・レンジャーズが商談のノベルティ用に作成したオリジナル「ハイチュウ」
イベントの企画・制作をおこなう株式会社イベント・レンジャーズが商談のノベルティ用に作成したオリジナル「ハイチュウ」
森永製菓提供
株式会社サンフジ企画が住宅展示場で配布した、「 カレ・ド・ショコラ」(写真上)と「ハイチュウ」
株式会社サンフジ企画が住宅展示場で配布した、「 カレ・ド・ショコラ」(写真上)と「ハイチュウ」
森永製菓提供

食事と間食の「シームレス化」 

ポテトチップスなどで知られる湖池屋は、新型コロナによる食生活の変化を受け、「ニューノーマルおやつ」を開発。2021年の春に「ハッシュドポテト」と「ポテトと料理」の2つのブランドを展開する。どちらも本格的なソースがかかったポテト料理を味わっているような感覚を楽しめるという。

湖池屋提供

テレワークの普及で外出が減ったため、朝食から夕食までを家で食べる人も増えた。ずっと家にいるため、朝食を食べ忘れてしまい、間食でお腹を満たしたり、昼食代わりにお菓子を食べたりする人もいる。

食事と間食の「シームレス化」だ。

そのため、湖池屋は、気軽に食べられるお菓子としっかりとした食事の「中間」のような新タイプのスナック菓子をつくったのだという。 

また、新型コロナで忘年会や取引先への新年の挨拶ができないことも、ビジネスパーソンの悩みのタネだ。そのため、お世話になった人に、通販でお菓子や食べ物を送るという文化も生まれつつある。いわば「リモート接待」なのかもしれない(昔ながらの「お歳暮」とも言う)。

たかがお菓子、されどお菓子。
ちなみに私はリモートワークが増えて、なかなか会えない友だちと文通感覚でお気に入りのお菓子を送り合うように。ちょっとしたメッセージを添えたり、子ども向けのシールやアフターコロナに行きたいお芝居のチラシを入れたりして、コミュニケーションに活用するようになった。

2021年は私たちとお菓子の間にどのような関係性が生まれるのだろう。

これからも引き続き注目したい。 

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