PRESENTED BY Rethink PROJECT

田村淳さん「昨年もらったトロフィーは書斎の真ん中に」Rethinkアワード2023受賞者発表

発酵技術で未利用資源を活用する企業、新しいゴミ処理施設を運営する自治体、Rethinkのきっかけとなる作品を生み出したクリエイター2名が受賞。
Photo:Shu Maeda

日々の仕事や家事、さらには会社や社会の制度など、私たちの日常は “当たり前”で成り立っている。しかし、「実は違和感がある」「もっと改善できそう」と思っている当たり前はないだろうか?

目まぐるしく変化し、多様化する現代において、今までの当たり前を当たり前と考えずに視点を変えること(=Rethink)が求められている。

そんなRethinkな活動をしている自治体・企業・人を表彰するRethinkアワードが今年も開催された。本アワードは、視点を変え、ものごとを変える文化の浸透を目指して2022年に誕生。2回目となる今年度の表彰式は2023年2月16日におこなわれた。今年は各部門の選考に専門的な知見を持つ企業が参画していることが特徴だという。

田村淳さん「昨年のトロフィーを書斎の真ん中に置いている」

田村淳さん
田村淳さん
Photo:Shu Maeda

昨年Rethinkアワード2022の人部門を受賞した田村淳さんは、今年は特別実行委員として参加。昨年のトロフィーは、背中を押してくれる存在として書斎の真ん中に置いているという。今年のアワードに関しては「僕の考えが及ばないようなことをしている人の話を聞くと、行動が変わる。今日はそういった刺激を持ち帰りたい」と期待を寄せた。

【企業部門】海外でも高い評価。未利用資源から素材を生み出す

株式会社ファーメンステーション 酒井里奈さん
株式会社ファーメンステーション 酒井里奈さん
Photo:Shu Maeda

今年の企業部門は、株式会社ファーメンステーションが受賞した。「未利用資源しか使いません」と断言するのは代表の酒井里奈さん。発酵技術を活用した環境負荷の低い製造方法で、エタノールなどの様々な高機能素材を製造している会社だ。

「会社をつくって14年目。市場がない、誰も買わないと言われてきた。やっと波がきたなと思います」と酒井さんは過去の苦労を語った。田村さんからは「SDGsと言われる前からやっていたんですね」と驚きの声。酒井さんは「いいことって事業が大きくならないと思われているけど、全くそんなことない。ちゃんと成功したいし大きくしたい」と意気込んだ。

さらに、田村さんはファーメンステーションの工場見学を希望。酒井さんは快諾するとともに「今までは工場見学をしていなかったが、活動を広めるためにも方針を変えたい。田村さんの言葉からヒントをいただきました」とコメント。会場で新たなRethinkが生まれていた。

【自治体部門】防災機能をもつ新しいごみ処理施設

今治市長・徳永繁樹さん
今治市長・徳永繁樹さん
Photo:Shu Maeda

自治体部門を受賞したのは愛媛県今治市。防災機能をもつごみ処理施設「バリクリーン」の活動が高く評価された。バリクリーンは、「今治モデル」をコンセプトに、平常時には市民の交流や情報発信ができる施設で、災害時には避難場所として活用できる。さらに、コスト削減や脱炭素社会に向けての取り組みも広くおこなっており、他の自治体の参考となりうる施設だ。

会場では徳永繁樹市長のビデオレターが上映された。「バリクリーンは日本中に誇れる施設」「ゴミの搬入以外で、年間2万人の市民が施設を利用している。近くにバリクリーンがあってすぐに避難できるので安心、いつもスポーツをして楽しんでいると市民のみなさんに喜んでいただいている」と自信を見せた。

【人部門①】地元ではない、もう一つの故郷を作品に

中信達也さん
中信達也さん
Photo:Shu Maeda

人部門は2名が受賞した。1人目は、福岡県で映像作家をしている中信達也さん。全国の地元を再考する「地元サイコゥ!映像祭」でグランプリを受賞した作品が評価された。熊本県津奈木町のアート作品「海渡り」をテーマに、地元の人々を撮影した作品だ。会場では、受賞作品のダイジェスト映像が上映された。

中信さんは、「津奈木町は、私の地元ではありません。しかし、もう一つの故郷だと思っています。縁があって好きになった場所も地元として捉えて、貢献できる。制作を通して、地元そのものの捉え方を再考しました」とRethinkした体験を話した。

田村さんは、「ダイジェストではなく全編見たい」「日本中の人がもう一回、地方にまた眼を向ける作品になったんじゃないか」と称賛。最後に中信さんは「色々な土地で作品を残したい。一方で、深く地域に入り込みたいタイプなので海渡りもずっと撮っていきたい」と今後の活動について意気込みを語った。

【人部門②】「うちの地元は何もない」という「地方あるある」を逆手に

吉村萌さん
吉村萌さん
Photo:Shu Maeda

人部門2人目は吉村萌さん。吉村さんは地元・岐阜県瑞浪市をテーマにポスターを制作。海のない県だが、実は昔は海の底で、多くの化石が発掘されていることを表現した。「うちの地元は何もない」という「地方あるある」を逆手に取り、まさにRethinkした作品となった。

「地上に出ている化石の一部は、そこだけ見るとただの石。その上に座っている人はすぐ下にあるものに全く気づいていません。近くにあるのに見えないとか、近すぎて見えないということは、身の回りにたくさんあるんじゃないでしょうか」とコメント。

さらに吉村さんは今回の制作を通して自身の就活についてRethinkできたといい、「社会に影響を与えるような大きなRethinkもあれば、私の就活のように自分の中での些細な気づきもあります。最も大切なことはRethinkしたことを形にしたり、行動に移してみたりすることだと思います。小さなRethinkでも行動に移すことで、社会を変えるような初めの一歩になるかもしれない」とRethinkについても考えを述べた。

吉村さんの作品を見た田村さんは「はっとさせられる、考え方を変えようというきっかけになるすごいポスター。娘の部屋に貼りたい」と絶賛した。

Rethinkする人が集まると、どんどんRethinkが広がる

田村さんは総括の中で「Rethinkしなくても、Rethinkした人のそばにいるだけで自分の思考も変わる。このRethinkという文化がもっと広がればいいと思う。身近なところにRethinkすると道が開けることがたくさん転がっていると思うので、このアワードがどんどん大きくなって、何か問題事が持ち込まれたら、みんなで考えて新しい道を提示できるようなイベントになるともっと楽しいアワードになるんじゃないかなと思いました」とRethinkという文化の可能性を語った。

Rethinkアワード実行委員会代表の井上朋彦さん
Rethinkアワード実行委員会代表の井上朋彦さん
Photo:Shu Maeda

イベントの最後は、Rethinkアワード実行委員会代表の井上朋彦さんが締め括った。

「このイベントの短い間でもいくつものRethinkが生まれ、Rethinkする人たちが集まると、どんどんRethinkが広がっていくということが感じられた。イベントを通して、少しRethinkしてみようと思っていただけたら嬉しい。今までと違う視点や考え方とか出てきたときに、受け入れられるような社会になると、さらにRethinkが広がっていく社会になるんじゃないかなと思います」

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