2019年10月21日 10時26分 JST | 更新 2019年10月21日 10時26分 JST

始まりはマンションの一室、誓ったのは鍵のイノベーション。「フォトシンス」が描く未来とは。

「スマートロックを活用して鍵をデジタル化することで、スマホやSuicaを鍵にできます」

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後付け可能なスマートロックを活用した『Akerun入退室管理システム』を手掛けるフォトシンス。彼らが志すのは鍵のイノベーション。そして「これまでになかった市場を自分たちが創造する」ということだ。代表の河瀬航大さん(31)を直撃した。 

6名の冒険者が集結、誓った「鍵」のイノベーション

2014年、場所は五反田のマンションの一室。

パナソニック、ソフトバンク、GMO…名だたる企業の出身者によって創業されたのがフォトシンス社だ。

代表の河瀬航大さん(31)は、当時をこう振り返る。

「通信技術、ソフト開発、メーカー…それぞれのエンジニアが仲間として集まってくれました。ぼくらは自分たちが本当にほしいプロダクトを作りたかった。そして自分たちの力試しをする。志のある仲間を、一人ひとり口説いていきました」

そこから5年。6名でスタートした同社は90名以上の規模へ。

目指すのは「鍵の歴史を変え、市場そのものを立ち上げていく」ということ。

河瀬さんが見据えるのは「デジタル化した鍵」があたり前になった未来。

彼らのさらなる挑戦に迫った。

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「Akerun入退室管理システム」  工事・工具なしでドアに後付け出来る、世界初のスマートロックを活用したクラウド型入退室管理システム(写真はAkerun Pro)。入退室履歴や鍵の管理をクラウド化を実現する。セキュリティ向上、労務管理などの観点から注目されている。

 

鍵における「負」を100%解消する

「あまり意識していないだけで、鍵が抱える負は大きい」

河瀬さんは「鍵」における課題について語ってくれた。たとえば「鍵を閉めたか」「鍵を落としたりしてないか」といった不安を感じたことがある方も多いはず。

じつは快適な生活を鍵が邪魔しているシーンは少なくない。

「スマートロックを活用して鍵をデジタル化することで、スマホやSuicaを鍵にできます。持ち物を減らせるし、いずれ家やオフィスなど全ての鍵は、ひとつのデバイスに統一される。これは人々の利便を劇的に向上させてくれます」

さらに河瀬さんから語られたのは、同社が描く未来。

「たった一つのIDがあれば、生活できる。そんな未来が理想です。オフィスの鍵、家の鍵はもちろん、タクシー、電車に乗って移動もできるし、コンビニで買い物もできる。いろんな境界を無くす。私たちはスマートロックをつくりたいわけではなく、何かにアクセスにするときのストレスを減らす、こういった社会を実現したいんです」

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河瀬航大│代表取締役社長  筑波大学理工学群卒業後、株式会社ガイアックスに入社。ソーシャルメディアを活用したマーケティング、企画・解析等のコンサルティングを行う。2013年、ネット選挙運動が解禁されたタイミングでは「インターネット選挙運動」の事業責任者に。2014年、株式会社フォトシンスを創業。

デジタル化した「鍵」はビジネスとしても勝負できる

同時に気になるのが、「スマートロックを活用したクラウド型入退室管理システム」におけるビジネスとしての可能性だ。

「今後、全ての鍵がデジタルに置き換わり、クラウド化するのは時間の問題だと思っています。ビジネス的なチャンスも大いにある。そもそも物理的な鍵って弱点だらけなんです。言ってしまえば“暗号部分”がむき出しになっている状態で、複製も簡単にできる。そもそもそういうモノだし、それがあたり前だとみんなが思い込んでいますよね。ただ、これをITの世界に置き換えると、まずあり得ないことですよね」

ここ数年、デジタル化した鍵に対する反響は爆発的に増えている。自治体や法人企業から「よりセキュリティを向上したい」といった背景から問い合わせがあるそうだ。

「物理的な鍵よりも、デジタル化したほうが安全、といった理解をされている方も増えてきました。また、働き方改革関連法ができて、従業員の「労働時間」を適正に把握することが義務化されましたよね。そういった時代の流れもあり最近では「入退室履歴をもとに勤怠管理をしたい」といった声も増えていて。たとえば、デジタル化した鍵は、入退室時間のデータが残る。労務管理の観点でも注目されているんです」

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業界を問わず様々なニーズに応えることで、自治体をはじめ、三井不動産(WORK STYLING)、日本ユニシス、エアアジア・ジャパンなど導入実績は3,000社以上となっている。(導入事例一覧│https://akerun.com/casestudies/)
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 「鍵」の歴史を、僕らが変える。

「ぜひ見てみてください」

取材中、河瀬さんはおもむろに立ち上がり、会議室のドアに同社製品『Akerun Pro』を設置。10秒ほどで、普通のドアがスマートロックでクラウド化されたドアへと変わった。

驚く取材者に対し、彼は力強く語ってくれた。

「まだまだ『Akerun入退室管理システム』はスタートしたばかり。もっと進化をしていきます。さらにビジネスモデルもお客様と構築をしている、というフェーズ。そもそも市場がまだ十分には立ち上がっていない。すぐ真横にエンジニアがいて、カスタマーサクセスがいて、マーケティングもセールスもいる。みんなで商品を、そして市場を育てているという感覚があります」

彼らが志すのは、「鍵」における歴史を塗り替えること。

「すべての鍵をデジタル化していく。決して夢ではないと思っています。物理的な金属の鍵って4000年間、基本となる構造はほとんど変わっていません。それがデジタルに置き換わったらどうでしょう。人間が生み出した文明を、大きく塗り替えるともいえます」

自ら開発し、広めたものが、人々の仕事や生活における利便を高め、新たなスタンダードになっていく。

「ただの売上を上げるための商材という感覚は全くないです。なんて言ったらいいんだろう。まるで子どもの頃に仲間たちと知らない場所を冒険したり、探検したりしているみたいな感覚。どこまでこのチームで羽ばたいていけるか、僕たちが一番ワクワクしていますね」

今まさに、彼らは「鍵のイノベーション」を通じ、新たな歴史の1ページに名を刻もうとしてい

フォトシンスについて
2014年、五反田のマンションで創業。創業1年目、経産省が所管するNEDO公認SUIプログラム第1号に選ばれたのを皮切りに、これまでに15億円を調達した。また、2015年・2018年には「グッドデザイン賞」を受賞、2017年には代表・河瀬氏が「Forbs 30 under 30 asia 2017」に選出されている。
 

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