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2020年04月25日 11時58分 JST

「4月25日だけは現場に」JR宝塚線脱線事故から15年 遺族ら、密集避けて祈りを捧げる

新型コロナの影響で、事故翌年から続いてきた追悼慰霊式は中止となった。

朝日新聞社
JR宝塚線脱線事故から15年。事故発生時間帯に現場マンション近くの踏切に立つ遺族の藤崎光子さん(右から2人目)=25日午前9時18分、兵庫県尼崎市、代表撮影

JR宝塚線脱線事故から15年 遺族ら密集避けて祈り

 乗客ら107人が死亡、562人が重軽傷を負ったJR宝塚線(福知山線)脱線事故は25日、発生から15年を迎えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、事故翌年から続いてきた追悼慰霊式は中止に。「祈りの杜(もり)」として整備された兵庫県尼崎市の事故現場には、遺族や負傷者らが密集を避けるため時間をおいて訪れ、祈りを捧げた。

 JR西日本の長谷川一明社長は午前7時半、役員たちと現場で献花した。事故後に入社した社員が過半数を占める現状を踏まえ、「私をはじめ15年前の事故を経験した人間が、遺族や負傷者の癒えることのない痛みをしっかり伝え、安全性向上に取り組んでいく」と話した。

 発生時刻の午前9時18分ごろには、現場カーブを快速電車が通過。車窓から現場に向かって手を合わせる乗客の姿もあった。

 JR西は新型コロナウイルス対策として、20~30日の間は祈りの杜を閉鎖。遺族や負傷者については、日時をずらして個別に案内するなどしている。

 事故で一人娘の中村道子さん(当時40)を亡くした藤崎光子さん(80)も現場を訪れた。取材に「コロナが怖くていつもは自宅で過ごしているが、4月25日だけは現場にいたいと思って来た。15年は長かったけど、まだJRに不信感はある。何よりもまず、安全で安心して利用できる鉄道事業者になってもらいたい」と話した。(狩野浩平)

(朝日新聞デジタル 2020年04月25日 11時11分)

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