インタビュー中、取材相手が新型コロナウイルス「陽性」と判明。取材したTBS番組のディレクターは検査受けられず

無症状で日常生活を送っている人、感染の可能性があっても検査を受けられない人の存在を浮き彫りにした。
インタビューのイメージ写真
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Mihajlo Maricic / EyeEm via Getty Images

感染拡大が続く新型コロナウイルスをめぐり、メディア関係者が取材中に感染者と接触していたことがわかった。

TBS系情報番組の「あさチャン!」「ひるおび!」などのTBSの番組で2月17日、報じられた。その番組内容によると、感染者を取材したのは「あさチャン!」の男性ディレクター。このディレクターが2月15日に偶然乗り合わせたタクシーの運転手が、新型コロナウイルスの感染拡大の契機になったと見られている屋形船の新年会参加者だったという。

車外に移動し、カメラを回して取材を始めたところ、運転手は前日に新型コロナウイルスの検査を受けたと証言。運転手は無症状で、検査結果が陽性だった場合は連絡があると聞いていたが、連絡がなかったために仕事をしていたという。

ところが、取材中に運転手の携帯電話に保健所から連絡が入り、検査結果が陽性だったと判明。運転手はディレクターから距離を取るように離れながら驚いた様子で「仕事をしています。テレビのインタビューを受けています」などと電話で状況を説明していた。

TBSの広報担当者によると、男性ディレクターはTBSの関係会社の社員だったという。取材後、男性は相談窓口に連絡し、感染者と接触したことを伝えたが、「無症状なので検査できない」として検査は受けていないという。

2月17日時点で、男性ディレクターの体調に変化はないが、男性は当面の間、自宅待機としているという。

ゴゴスマ」では一連の経緯を伝えた後に「新型コロナウイルスに感染しても症状がなく、日常生活を送っている人が浮き彫りになった」と結んだが、それだけでなく、感染の可能性があっても検査を受けられない人が多数いる現実も明らかになった。

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