東京五輪、無理ならロンドンで開催を ロンドン市長選の立候補予定者が意欲

新型コロナウイルス感染拡大を念頭に、ロンドンには「インフラと経験がある」と強調しました。
東京オリンピック開幕までの日数を示すサイン
東京オリンピック開幕までの日数を示すサイン
ASSOCIATED PRESS

日本国内での新型コロナウイルスへの感染拡大が止まらないことを受け、今夏に開幕する東京オリンピック、パラリンピックへの影響が心配されている。こうした状況を受け、ロンドン市長選(5月投開票)への立候補予定者が、東京オリンピックが中止された場合、ロンドンでオリンピックを開催することに意欲を示した。

ロンドンでの代替開催に意欲を示したのは、与党・保守党のロンドン市長選立候補予定者のショーン・ベイリー氏。現地時間の19日夜、Twitterに「ロンドンは2020年にオリンピックを開催できる」と投稿。2012年にロンドンでオリンピック・パラリンピックを開催したことを念頭に、「我々にはインフラと経験がある」と強調した。

ベイリー氏はまた、「新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界は我々が介入することを求めるかもしれない」とも指摘した。

London can host the #Olympics in 2020.

We have the infrastructure and the experience.
And due to the #coronavirus outbreak, the world might need us to step up.

As Mayor, I will make sure London is ready to answer the call and host the Olympics again.https://t.co/1jJesWS1D6

— Shaun Bailey (@ShaunBaileyUK) February 19, 2020

ベイリー氏の投稿には、賛否の意見が寄せられた。日本在住とみられるユーザーは「無責任な発言。コロナウイルスに汚染された忌まわしいダイヤモンド・プリンセス号はあなた方のもの(イギリス船籍)だ。問題を日本に押しつけるのではなく、まずはダイヤモンド・プリンセス号に対応すべきだ」と批判した。

一方で、「素晴らしいアイディアだ」「これこそ、ロンドンがあなたを必要としている理由だ」、といった歓迎するコメントもあった。また、感染拡大の予測の困難さを指摘し、「もしも日本が開催できないということは、我々もできないということだ」といった意見もあった。

現ロンドン市長のサディク・カーン氏
現ロンドン市長のサディク・カーン氏
Natalia Fedosenko via Getty Images

ベイリー氏の発言を受け、野党労働党のサディク・カーン現ロンドン市長も反応。英紙「シティーA.M.」によると、カーン市長のスポークスマンは取材に「あらゆる人が、素晴らしい東京大会のために取り組んでいる。万が一求められれば、これまでもずっとそうであったように、ロンドンは積極的な行動を取るためにベストを尽くす」と述べた。

2012年ロンドン大会のスタジアム
2012年ロンドン大会のスタジアム
nickspalding via Getty Images

過去に開催が決まっていた夏季オリンピックが中止になった例は3度ある。1916年のベルリン、1940年の東京、1944年のロンドンの3大会で、いずれも第一次、第二次世界大戦の影響で中止になった。1940年の東京大会は、一時フィンランド・ヘルシンキでの代替開催が決まったが、戦況悪化のため、再度中止が決まった。

サッカーワールドカップでは実際に開催地が変更されて、開催された例がある。1984年大会の開催地は当初、コロンビアに決まっていたが、経済状況の悪化からメキシコに変更された。

朝日新聞によると、東京大会組織委員会の森喜朗会長は2月13日、「東京大会の中止や延期は検討されていないと改めて申し上げたい」と述べている。

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