祝日の小言は、結婚しても終わりがない

【キム・ヒョヌの新婚日記:第7話】 正月にみんな集まりビールを飲みながら‘SKYキャッスル’ の裏話をしながら過ごせれば、どんなに幸せだっただろうか。
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ハフポスト・コリアのキム・ヒョヌ記者が2018年12月から連載を始めた「新婚日記」を掲載します。つれづれなるままに書きますが、それなりに面白おかしく読んでいただければ幸いです。

ものすごく田舎町まではいかなかったが、都市と呼ぶにはちょっと曖昧な居住人口の大多数が老年層のシルバーシティで生まれ育った私には、「祝日」の小言としか言いようがない。 故郷に行けば聞くのがそれだったのだ。以下、おばあちゃんとの会話。

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大学生の時

「あら、こうも大きくなって。 学校はちゃんと通ってるの? ひょっとして恋人ができたのかい?」

「いえいえそんなそんな(オーバーリアクション)恋人なんて~」

「そうそう、学生は勉強をしなきゃ恋人は絶対ダメだよ?わかるよね?特に女は勝手に恋人作ってそうしたらダメだからね」

「おほほ~おばあちゃんの言うことが正しいよ~~ほほ~^^それではさようなら~(振り返って一息)」

休学生インターン時代

「あらら、お前さん来たのね!卒業したのね!」

「あ、私はまだ卒業せず…学校を休んで会社で仕事を学んでいます^^」

「なんで?学校を早く卒業して会社に勤めるのが正しいじゃない。まさか…学校に通うのが嫌でそうなのかい?お前さんが그태 공부를 해가 ソウルの学校に通っては学校に行きたくないとそうしたらダメじゃないの!早く卒業をしてもっといい会社に通えるはずなのに、なんでそんなことをしているのさ?!」

「(お…うむ…これはスペック…インターン…こんなことを満州国が存在した時に幼年時代を過ごした方に、どうやって説明しようか…うむ…お…あ…え…)はい…私の考えが足りなかったようです…早く卒業しますねお婆ちゃん…」

*スペック~韓国で人の能力や経歴をいう

就職後

「あらら久しぶりだね!学校は卒業したのかい?」

「はいお婆ちゃん~私、就職したんです!イェイ!」

「あららおめでとう。どこに通うのかい?」

「あ、私はハフィントンポスト(現・ハフポスト)という外資系の会社です^^」

「なんだって?ハ…なに?外国?外国だって?」

「はい・・・(なんで怒っているのかな?)」

「お前さん、まさか会社の西洋の奴らと一緒に働いていいるのか!」

「…?お…たまに外国から来るのは確かだけれども…(あっ。外国の侵略を撃退し鎖国の決意を表した「斥和碑」でも建てるべきだったか…)」

「絶対に!絶対に西洋の奴とは恋愛したらだめだからね!わかった?お婆ちゃんは心配になってこうするんだよ。そしてもう就職もしてお前さんは何歳だって?」

「25です。」

「もう結婚する歳だね。早く公務員とお見合いして結婚準備しなければ。公務員が最高だよ。お前さんはソウルで大学も出たから公務員と絶対に結婚しなければ。お婆ちゃんの言葉を覚えておきなさい」

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あ…この美しい田舎の愛着…

もちろん、幼い頃から私の面倒を見てくれたおばあちゃんだから実の孫娘のような気持ちでそう言ったのだろうけれども、今の自分の人生と全く離れた話を「助言」と並べておくのが負担な小言と感じられるのも事実だった。

とにかくおばあさんたちの心配のおかげで私は西洋人とは合わなかった。 しかし、お祖母さんには残念なことだが、お見合いをして付き合った公務員ではなく、大学時代から恋愛してきた会社員と結婚することになった。 そして私は新婚生活の幸せに酔って故郷にはほとんど行かなくなり、おばあさんたちの小言はすっかり忘れて過ごした。

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ただ幸せな日々…

忘れていた小言を久しぶりに再び聞いたのは、今年の正月だった。 その日、私と夫は横になっていた。幸せな人気者同士の夫婦らしく、前日、友人という友人は皆招待し、新年をあまりにも盛大に祝福したのだ。 二日酔いの解消剤を一気に飲み込んだにもかかわらず、指一本動かすことができなかった。 1月1日だから一緒に雑煮を作って食べながら新年の決意を書いてみようと言った私たちの計画は、昨夜の記憶とともに地獄行き特急列車に乗って消え去った。

夜の9時になって分離していた肉体と精神が元どおりに戻ってきて、両家の両親に安否の電話をすることにした。先に、私の家に電話をするとお父さんが出た。

「お父さんは今日、小言を一つ聞いてきた」

「何、誰がお父さんみたいな年配のおじさんに小言を言うの?」

「今日、町の年配の人たちに、新年の挨拶をしてきたんだ。お年寄りがみんな私に今年は必ずお爺さんになるんだと言っていたよ。出産率が低いのに『愛国する』べきじゃないか。さらに息子を産むとなったら、どれだけ騒ぐのか。まあ、とにかくお前、旧正月には絶対に来て挨拶しなさいだって。」

あ…

やはり、お父さんくらいの年配になても消えないEndless小言…

こうやって私まで子々孫々語られるEndless小言…

私が、故郷に行かないから私のお父さんを通しても伝えられるマジック…

数百km離れたところで結婚し、ちゃんと食べて暮らしていても小言は終わらないものだった。 遠くへ行く必要もなく「po愛国wer」*までつながるその小言...。

*po愛国wer~パワー愛国と読む。

重要なのは私が誰と結婚し、どのように生きているのか別に関心がないから、そのように言えるということだ。

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旧正月が目の前だ。 多分、今回の祝日にも全国あちこちで、遠慮ない小言が続くだろう。 想像するだけでぞっとするでしょ? 長い連休、私と夫はお正月当日だけ各自の家にぴったり3時間だけ訪問することにした。 こうなると、おばあさんを含め、世間の小言を聞く時間が全くなくなるわけである。 私の立場では、幼い頃から会ってきたおばあちゃんたちだから、会いたい気持ちが全くないわけではないが、それでももう私は夫もいるため、小言は聞きたくない気持ちの方が大きいのが率直な心情だ。

残りの連休にはまた、祝日の小言が嫌で逃げたい知人をソウルの麻浦区の新居に集め、「ルナニューイヤーパーティー」をして遊ぶ予定だ。 それぞれ職業が何であれ恋人がいようが、結婚して子供を生もうが、とにかく自分の人生は自分が一番よくわかっているはずだから、一人集まって座ってどこへ行かず、暖かい部屋でビールを飲みながら「SKYキャッスル」の裏話をしながら過ごせば、どんなに幸せな祝日だと言えるだろうか。 幸せな祝日に言わないことはできないでしょうか。

*ルナ ニューイヤーパーティー~Lunar New Year パーティー

*SKYキャッスル~韓国のドラマ。

ハフポスト韓国版を翻訳・編集しています。

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