厚労省は1月28日に開いた緊急会見で、新型コロナウイルスで日本人の感染者が初めて確認されたことを明らかにした。
感染したバス運転手は奈良県在住の60代男性。会見によると、8日〜11日に中国・武漢市から来たツアー客を、大阪から東京方面の空港まで乗せた。その後、12〜16日に別の武漢からのツアー客を、東京から大阪まで乗せたという。
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14日に悪寒や咳、関節の痛みが出て、17日に奈良県内の医療機関を受診した。その際は検査結果で異常が見つからず経過観察になった。22日に症状が悪化し、25日に再度受診したところ肺炎の症状が確認され、県内の医療機関に入院した。
新型コロナウイルスに関連した感染症の患者の発生が国内で確認されたのは6例目。武漢市への渡航歴がない感染者が確認されたという点でも初めてだった。
■「今まで厚労省が調査している方からは範囲外」
厚生労働省・結核感染症課の日下英司課長は会見の中で以下のように話した。
「今まで武漢に渡航歴のある方で熱を出されて肺炎になったり、明らかに新型コロナウイルスの肺炎の感染者に濃厚接触した方がその後、発症するというのがこれまでの見方でした。しかし、今回は聞き取り調査中では、(バスの乗客に)明らかに肺炎のような症状の方がいたということは今のところは聞いてないため、一つ大きな違いかなと思っています。今まで厚労省が調査している方からは範囲外にあるため、サーベイランスで追いかけないといけない症例定義を再検討する必要があると考えています」
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ツアー客は全員帰国しているため、厚労省は今後、中国政府に対してツアー客に新型コロナウイルスの感染者が出ていないか確認するという。