新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
2020年05月19日 11時00分 JST | 更新 2020年05月19日 20時15分 JST

東京23区のオンライン授業はどうなった? 一斉休校で保護者たちが動く

「目指すべきゴールは、子どもたちの学びを止めないこと。先行事例を可視化することで、切磋琢磨しながら前に進んでいきたい」。23区のオンライン学習の状況をまとめた森田亜矢子さんは語ります。

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための一斉休校から2ヶ月半。オンライン授業がなかなか始まらないことにしびれを切らし、「学びを止めるな」と動く保護者たちがいる。

ハフポスト日本版が休校から1カ月が過ぎた4月7〜14日、東京都23区を対象に行ったアンケート調査では、「オンライン授業を「導入している」または「検討している」と回答したのは13区だったが、当時は教師と子ども双方向のコミュニケーションを伴ったオンライン授業を行なっている自治体はゼロだった。

さらに1カ月が過ぎ、自治体ごとに教育機会の格差が生じている状況が、他ならぬ保護者たちの手によって明らかにされつつある。

 

「先行事例を可視化し、切磋琢磨しながら前に…」

ぱぱまま START UP
調査の一部。※元の表は「ぱぱままSTARTUP」へ

 

子育てしやすい社会を目指して活動を続けている「みらい子育て全国ネットワーク(ミラコ)」のメンバーで、子育てマーケターの森田亜矢子さんは5月17日、ミラコのメンバーや知人などの情報をもとにオンライン学習に関する23区の先行事例をまとめた

森田さんが主宰する子育てメディア『ぱぱままSTARTUP』でアンケートを行い、情報は随時更新している。

それによると、豊島区と文京区などでは朝会や授業などをオンラインで行い、教師と子どもたちが同時にオンラインでコミュニケーションできるような取り組みを行なっているという。

千代田区と渋谷区では朝会をオンラインで行い、教材の配信や課題提出、フィードバックなどにオンラインツールを活用。中央区や荒川区などでも導入に向けての準備を進めている。

森田さんは「目指すべきゴールは、子どもたちの学びを止めないこと。先行事例を可視化することで、切磋琢磨しながら前に進んでいきたい」と、意図を語る。

 

オンライン学習の環境整っている家庭もあるが…

休校中の子どもの学習に危機感を持つ保護者たちが、先進的に取り組む事例に刺激を受け、自分たちの自治体の教育を変えよういう動きはじわじわと広がっている。

LEREXIS via Getty Images
オンライン学習のイメージ写真

 東京都武蔵野市の保護者有志の会は4月21日〜29日、市内の小中学校に通う保護者にウェブアンケートを行い、1555人から回答を得た。

結果は、小学生の保護者の96.1%、中学生の保護者の96.8%がオンライン学習の導入について「賛成」と回答。小中学生とも98.5%が自宅にWi-Fiなどのネットワーク環境が整っていた。

一方、自宅に子どもが使用できるタブレットやパソコンなどの端末が「無い」という回答したのは、小学生で33件、中学生で7件だった。ただし、ネットを通じた調査のため、比較的環境が整っている家庭だけが回答した可能性もある。

端末やネット環境がない家庭へのサポートのあり方については、ともに「必要とする家庭へ配布」が「全家庭に配布」を大きく上回った。

保護者からは、学習面以外にも家族以外とのコミュニケーションが不足していることや、休校で生活リズムが崩れていることを心配する声も。

また、オンライン学習に「反対」とした回答からは、「オンライン学習よりも登校を前提に検討して」「両親が仕事で端末の操作が手伝えない」などの声も上がったという。

中野区でも、子育て問題に取り組む「子育て環境向上委員会@中野」が同様のアンケートを行い、結果を教育委員会に提出してオンライン学習を進めるよう要望している。

こうした動きを受け、ミラコでは、自治体ごとに保護者らが行なっているオンライン学習に関するアンケート調査の内容や結果を公式サイトに集約

アンケートの雛形やアンケートをまとめるための素材も公開し、ダウンロードして自由に使用できるようにしている。5月17日現在で、15の自治体でオンライン学習に関するアンケートを行なっている(ミラコ調べ)。

 

 「自治体間で学習機会の格差が広がってしまう」

ミラコの前身は、保育園の待機児童問題に取り組む保護者らが作った「希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会」。「#保育園に入りたい」など、SNSを活用して全国の当事者の声を可視化することで、大きなうねりにつなげてきた。 

代表の天野妙さんは「他の自治体が取り組んでいる状況を知って、『今のままじゃまずいよね』と動き出した」と、一連の動きを見る。

「家庭ごとの教育環境に差があるからオンライン学習はできない、というのは、やらない言い訳。今のままでは、住んでいる自治体間で学習機会の格差が広がってしまう」と指摘し、こう期待を込めた。

「いきなり双方向のオンライン授業を導入するのが難しくても、朝のホームルームからでもいい。まずは小さな一歩を踏み出すことが大事なので、アンケートがそのきっかけの一つになればいいなと思っています」 

「家庭が『学校化』するコロナ時代 〜家庭学習の課題とホンネ〜」

 

5月26日午後9時からライブ配信するハフポスト日本版のTwitter番組「#ハフライブ」では、休校とオンライン学習をテーマにお届けします。

 

ご家庭の状況や、お子さんのオンライン学習の状況について、アンケートにご協力をお願いします。

 

アンケートでいただいたご意見は、番組や記事の中で紹介させていただく可能性があります。「#ハフライブ」をつけて、ご意見や質問をお寄せください。