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2020年10月11日 06時57分 JST | 更新 2020年10月11日 07時31分 JST

「オンライン・ハラスメント」、世界の6割の若年女性が経験。国際NGOが調査結果を公表【ガールズ・デー】

10月11日の国際ガールズ・デーを前に、調査結果が公表された。ストーカー行為や体型批判、「レイプする」という脅迫など…若い女性への被害の実態が明らかになった。

sestovic via Getty Images
プラン・インターナショナルの調査で、オンライン・ハラスメントが被害者の若年女性に精神的苦痛を与えている実態が浮かび上がった(イメージ写真)

6割の若年女性が、ネットを利用した「オンライン・ハラスメント」の被害を受けたことがある――。

子どもの権利のための活動に取り組む国際NGO「プラン・インターナショナル」が、世界の若年女性を対象に行った調査で、ネット上の深刻なハラスメント被害が明らかになった。団体は、SNSの運営企業や各国政府などに被害防止に向けた対策を求めている。

 

「オンライン・ハラスメント」とは?

調査結果は、国際ガールズ・デー(10月11日)を前に公表された。プラン・インターナショナルの公式サイトによると、オンライン・ハラスメントとは、SNSなどインターネットを利用したストーキング(つきまとい)、いじめ、ハラスメント、名誉毀損、ヘイトスピーチ、搾取、虐待やそのほかのあらゆる迷惑行為のこと。調査は、世界31カ国約1万4000人の15〜25歳までの若年女性を対象に実施した。

 

2割以上が身体の不安

回答者のうち、若年女性の58%がオンライン・ハラスメントを経験していることが分かった。ハラスメントを受けた人の24%が「身体的に安全ではない」と感じ、42%が「自尊心または自信を失っている」、同じく42%が「精神的または感情的にストレスを感じている」との結果になった。

被害を受けたSNS別では、Facebook39%、インスタグラム23%の順で多かった。「とても頻繁にハラスメントを受けている」との回答は19%に上り、ハラスメントを理由にSNSの利用をやめた若年女性もいた。性的マイノリティであると回答した若年女性のうち、42%はセクシュアリティーを理由にハラスメントを受けていると答えた。

被害に遭った女性たちからは、「加害男性が自分についての詳しい情報をどうやって見つけたのか分からず、住所を探し出して家に来るのではないかと心配になった」「ハラスメントはエスカレートしており、やめさせることも、対処も難しい。精神的に追いつめられるので本当に憂鬱」といった訴えが上がっている。

 

日本は「認識の低さ」影響か

一方で、日本の調査結果(回答者数:501人、15〜24歳)では、「SNSで何らかの形でオンライン・ハラスメントを経験したことがある」と回答したのは25%で、世界の平均を大きく下回った。「オンライン・ハラスメントという言葉を聞いたことが一度もない」と回答した若年女性が40%に上ることから、プラン・インターナショナル・ジャパンは「認識の低さが、被害の理解や報告の件数にも影響を与えているものと考えられる」と指摘している。約半数が、自分または知り合いの若年女性が「とても頻繁」にあるいは「頻繁に」オンライン・ハラスメントを受けていると答えた。

自分自身が受けたり、周囲で「受けた」と聞いたことがあるオンライン・ハラスメントの種類では、「罵り言葉及び侮蔑的な言葉」、セクハラ、体型批判などの回答が目立った。性暴力をふるうという脅迫行為もあった。SNS別の被害では、Twitterが16%で最多に。次いでインスタグラムが7%との結果だった。

加害者別では、つながりがない人25%、知り合い23%、匿名のSNSユーザー20%の順で多かった。

プラン・インターナショナルの調査レポート
日本の若年女性を対象にした調査では、オンラインハラスメントを自分自身が受けたり、知り合いの若年女性が受けているのを聞いたりした経験があるかという問いに、51%が「とても頻繁に経験する「頻繁に経験する」と答えた
プラン・インターナショナルの調査結果
日本の若年女性が受けたオンライン・ハラスメントの種類

今回の調査結果を踏まえ、プラン・インターナショナルはSNSの運営会社に対し、「加害者のSNSアカウントを制御する」「オンライン・ハラスメントを対象とした報告のシステムを構築する」「人種、民族、年齢、障害の有無、性的少数者などのアイデンティティーを念頭に置き、オンライン・ハラスメントに関するデータを収集・公開する」ことなどを提言している。

各国政府に対しては、法的枠組みの更新や改善、ハラスメント防止を目的にインターネット企業を規制する法律の制定などを訴えている。