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2021年05月17日 16時23分 JST | 更新 2021年05月18日 18時54分 JST

LGBT平等法、企業からも賛同の声が上がった。コカ・コーラ、PwC Japanも

LGBT平等法とは、性的指向や性自認を理由とする差別を禁止する法律のこと。ビジネス界からも、賛同の声が上がり始めた。

Jun Tsuboike / HuffPost Japan
LGBT平等法に賛同する企業10社は?

性的指向や性自認を理由とする差別を禁止する法律(LGBT平等法)をめぐり、賛同企業を募るキャンペーンが始まった。「LGBT嫌悪に反対する国際デー」の5月17日、オンラインで記者会見が行われ、国内外の賛同企業10社が発表された。

「LGBT平等法」の成立を目指す署名キャンペーンでは、賛同者はこれまでに10万人を超えた。集まった署名は、自民党をはじめとする各政党に提出されている

署名に続く取り組みとして、キャンペーンの呼びかけ団体はこのたび、企業に対してLGBT平等法に賛同する「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」の受け付けをスタートした

賛同する企業は、以下のような宣言を表明する。

<私たち賛同企業は、日本におけるLGBT平等法の導入を支持し、性的指向や性自認に基づく差別を禁止し、誰もが平等に扱われるインクルーシブな職場・社会づくりを目指すことを宣言します。>

 

賛同した10社はどこ?

記者会見を開いたLGBT法連合会などによると、5月17日時点で国内外の企業10社が賛同したという。賛同した10社は以下の通り。

【日本企業】

EY Japan株式会社

日本コカ・コーラ株式会社

株式会社ADAC

セガサミーホールディングス株式会社

デロイト トーマツ グループ

PwC Japanグループ

 

【海外企業】

The Coca-Cola Company

PwC

Salesforce

intel

賛同企業であるPwC Japanの武田智之さんは、名乗りを上げた理由の一つとして「LGBTインクルージョンに何年間か取り組んできました。多様なメンバーが尊重しあって、インクルーシブに新しい価値を生み出していくことを重視しています」と話した。

PwC Japanは、同性婚の実現や婚姻の平等の賛同企業でもある

武田さんは、婚姻の平等について賛同を表明した後、社内のLGBTQ当事者から「うれしかった。涙が出そうだった」というコメントを受けたと報告。「企業としても(LGBT平等法に賛同する)取り組みを表明して、サポートしていくことが重要であると認識しています」と強調した。

LGBTQ当事者に関する法案をめぐっては、与野党は5月14日、法律の「目的」だけではなく「基本理念」に「性的指向および性自認を理由とする差別は許されないものであるとの認識の下」という文言を加えることで合意した。

一方で、「差別的取り扱いの禁止」は盛り込まれなかった。

 

企業が声を上げることの意味

Jun Tsuboike / HuffPost Japan
五十嵐ゆりさん

性的少数者に対する差別について、企業が「NO」を示すことにどのような意味があるのか。

「LGBT法連合会」理事の五十嵐ゆりさんは、「まずは企業の従業員やその家族、知人に当事者がいるといった関わりのある人は、明確なメッセージとして受け取ります。会社として、(差別問題への対応を)しっかりやるんだという意思表明にもつながります」と話す。

その上で、社会に対するインパクトの大きさも重要という。

「多くの人が(差別問題を)知っておかなければいけないなと思ったり、(LGBTQ当事者が)どういう状況に置かれているんだろうと関心を寄せたりと、社会の機運を上げることにつながるのではないでしょうか。企業の立場で取り組んでいただくことで、社会に少しずつ浸透していくメッセージが必ずあると感じています

 

「LGBTQの人権」、ビジネスの場で関心高まる理由

Jun Tsuboike / HuffPost Japan
柳沢正和さん

経済協力開発機構(OECD)が2019年に公表した報告書によると、OECD諸国のうち、セクシュアルマイノリティーに関する法整備状況では35カ国中34位だった。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ国際理事の柳沢正和さんは、LGBTQ当事者の人権について、ビジネスの現場で「急速に関心が高まっている」と話す。

なぜなのか?

世界では80以上の国で、性的指向や性自認を理由とする差別を禁じる法律の制定が広がっている。一方で、日本にはこうした法律がない。

柳沢さんは「日本は国際競争上、非常に不利な立場に置かれています。OECDの加盟国でいうと、法的保護は下から2番目の状況。法的な保護が弱く、赴任先として選ばれない状況が続いています」として、人材の獲得や維持の観点からも法整備の必要性を訴える。

さらに、柳沢さんはESG(環境=Environment、社会=Social、企業統治=Governance)投資の流れが国際的に加速していることにも言及。

「LGBTQ当事者に対し、組織の中で就業規則上の配慮がされているか、福利厚生上で差別がないかといったことに明示的に取り組むことが求められています」として、ビジネスの面からも企業がLGBTQの人権問題に対して立場を示すことのメリットを挙げた。

企業を対象にした「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」への賛同は、「#Equality Act Japan」のサイトから申請できる。