通天閣のフェイク画像拡散、運営側が苦言。コロナワクチンを示唆するメッセージが掲出されたかのよう偽る

担当者はハフポスト日本版に「(フェイク画像は)バカげたことだと思っていましたが、誤認している人がたくさんいました」と注意喚起のツイートした経緯を説明する。

大阪のシンボル通天閣のフェイク画像がSNS上で拡散し、運営会社が11月4日、Twitterで注意喚起や苦言を呈した。

フェイク画像は、緑にライトアップした通天閣に、新型コロナワクチンを示唆するような「射っちゃダメだよ」「治療中 射ったら あかん」という、実在しないメッセージが掲出されたかのよう偽っている。

通天閣の運営会社によると、このようなメッセージは掲出されておらず、画像は偽物だ。

運営会社には11月3日、このフェイク画像を本物と誤認した人から、なぜこのようなメッセージを出すのかというクレームがあった。運営会社側がSNSを確認すると、TwitterやInstagram上にフェイク画像が投稿されていた。

実際の通天閣は、スポンサーの日立製作所の広告メッセージが掲出されている。

翌4日にも、同様のクレームや対応を求める声、メッセージの掲出方法などの問い合わせが複数あった。

誤解が広がっている状況を受けて、通天閣の運営会社は偽物の画像だと注意喚起するツイートをし、「威力業務妨害として対応を検討しております」と苦言を呈した。

担当者はハフポスト日本版に「(フェイク画像は)バカげたことだと思っていましたが、誤認している人がたくさんいました。コロナを思わせるメッセージで関心を引いてしまったのでは」とツイートした経緯を説明する。

通天閣では、入場券の購入時にワクチン接種証明書を提示した人に特製「もうカレー」を配るキャンペーンなどを通じて、ワクチン接種を推奨している。

そのため「コロナ収束に向けて啓蒙している通天閣の立場として、誤解される状況が続いてはいけないと、強い言葉で訴えました」と述べた。

通天閣は、感染状況を判断する大阪の独自基準「大阪モデル」の警戒信号カラーに合わせて、ライトアップをしている。飲食店に対する酒類提供制限や営業時間短縮の要請が解除された10月25日から1週間、「警戒解除」を表す緑色になっていた。

担当者は「せっかく緑色のライトアップになって、一致団結して行こうと思っている矢先のことで、とても残念です」と打ち明ける。

担当者によると、フェイク画像を投稿したとみられるTwitterアカウントは、すでに削除された模様。だが、フェイク画像自体は他のユーザーに拡散され、TwitterやInstagram上に残っている。

通天閣のメッセージ掲出は、日立製作所の広告以外に警察や消防など公共性の高いものを扱ったことがあるが、個人からは受け付けていない。

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