参院選の女性候補者擁立、自民や公明など数値目標示さず。各政党の「本気度」は?

2021年の衆院選では、当選者に占める女性の割合は9.7%にとどまり、前回(2017年)を下回っていました。
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集会の様子
集会の様子
ハフポスト日本版

夏に行われる参院選挙、女性候補者擁立の各政党の目標は?

国際女性デーの3月8日、女性の国会議員を増やそうと活動をしている市民団体「クオータ制を推進する会」(赤松良子代表)による集会が参院議員会館で開かれた。

「参院選の本気度を聞く」とし、各政党に女性候補者擁立の目標値を尋ねた。

2021年の衆院選では女性議員が減った

2018年に成立した候補者男女均等法では「男女の候補者ができる限り均等となる」ことを掲げ、各政党に男女の候補者数について目標を定めるよう努力義務を課している。

しかし、この法律が成立して初めて迎えた2021年の衆院選では、当選者に占める女性の割合は9.7%にとどまり、前回(2017年)を下回った。

集会に先立ち、クオータ制を推進する会では夏にある参院選に向けて、各政党がどのように女性候補者・女性議員を増やそうとしているのかを尋ねた。

政党別の女性議員の割合(2021年11月)
政党別の女性議員の割合(2021年11月)
JUN TSUBOIKE / HUFFPOST JAPAN

クオータ制を推進する会が各政党に対して尋ねたのは、以下の5点。

・参議院選挙で女性候補者擁立の目標値は?

・男女の候補者が均等になるよう、特に現職のいない選挙区の新人候補者擁立では女性増を考えているか?

・比例区の候補者は男女同数に、また比例区の特定拘束制度の割当枠に女性候補を優先して搭載するか?

・党本部役員及び選対本部の女性議員の登用比率は?

・「政党交付金は女性議員比率で配分を」は賛成?

各政党の集会での登壇者と回答・コメントは以下の通り(抜粋)

■自民党の稲田朋美・選対副委員長

党の中で女性候補者を増やしていくということで何回も提言をまとめた。なかなか党の方針にならないのが辛いというか、やり方を考えなければならないと考えている。私は何か数値目標やクオータ制的なことを入れないと、女性議員が増えていくことにはならないのではないかと思っている。私自身は、政党助成金の配分を変えることであったり、公職選挙法を変えて男女交互の比例名簿にしたりということについては賛成だ。

■公明党の古屋範子・副代表

女性議員や候補者が活動しやすい環境を作ることが重要な要素だと思っている。女性議員が活動する上でオンライン国会の議論を進めるべきだと主張してきた。衆院憲法審査会では、緊急事態に限り例外的にオンラインによる出席も出席に含まれると、とりまとめた。出産等で議員が本会議に出席できないということは解決しないといけない課題。緊急事態とは別に、(出産等の場合も)オンライン国会を行使できるよう党としても議論していきたい。

■立憲民主党の泉健太代表

ジェンダー平等を進めようと、党執行部12人の役員のうち半数を女性にした。今年度の活動方針で、参院選の女性候補者5割を目指すと明確にうたってる。現時点で全体で54%と女性が多い状況になっている。「現職のいない選挙区の新人候補者擁立では女性を増やすことを考えているか」(という質問に対して)は、考えています。選対役員も女性比率を高めている。政党交付金については、インセンティブも含めて様々な形のものをできる限り議論していきたい。

■日本維新の会の高木かおり・ダイバーシティ推進局長

数値目標を設定していくことは重要だと思うが、候補者を擁立するための環境整備を党内でやっていくことに力を注いでいこうとしている。女性が立候補するのに二の足を踏む現実がある。選挙活動の中で子育て中の議員が両立することが難しいという話が出てきた。参院選では、女性に限らず、男性も対象だが、立候補者のベビーシッター代や保育代のサポートを決めた。女性議員を擁立しやすい議員活動とは何かを議論しながら、女性議員の増加を考える。

■国民民主党の岸本周平・衆議院議員

昨年の衆院選では、女性の候補者比率35%を掲げた。それに近い形で立候補者を出せたが、結果として女性の当選者は減ってしまった。そのことを反省し、参院選ではまず女性の候補者比率35%を目指し、何より現職の女性議員に絶対に残ってもらうために頑張る。フランスのクオータ制度は、仮に男女半々じゃなければ、女性候補が少ない分だけ政党交付金が減らされる。私たちはこの制度に大賛成だ。

■日本共産党の高橋千鶴子・党国会議員団ジェンダー平等推進委員会責任者

目標は、男女半々です。現在発表している参院選の予定候補は、比例で5人中2人が女性、選挙区では34人中18人が女性。頑張って候補を増やしていきたい。現職のいない選挙区は、男女同数を目標に掲げている以上、女性候補者の擁立を取り組んでいく。ただ、全部女性とはいかない。総合的に考えてベストの候補者を選んでいる。本部役員の問題だが、常任幹部会26人中8人で女性が3割となっている。中央委員会全体では3割に満たない。

■れいわ新選組の大石晃子・政策審議会長

国会議員5人のうち女性は2人で、現状女性比率は4割となっている。当事者の力で国会を変えようと手探りでやってきたため、あらかじめ目標値を定めているわけではない。今回も目標値を掲げることはまだ決めていない。当事者の権利を拡大させていきたい、生活者、女性、LGBTQ、在日外国人ら当事者の思いを寄せて闘っていこうという政党。理不尽とたたかってくれる仲間であれば、一緒に闘っていきたい。

■社会民主党の福島みずほ・党首

参院選の候補者擁立は男女半々を目指す。特に比例区は女性比率50%を考えている。常任幹事会を男女半々にすることにした。執行役員は女性比率44%。党首、副党首ともに女性。政党交付金は何らかの形で反映させることで、インセブティブになる。

根本的な制度改革を

数値目標については、すでに掲げている党がある一方で、自民党や公明党、日本維新の会などは掲げていなかった。

クオータ制を推進する会顧問を務める、上智大学の三浦まり教授は「女性議員が1人ずつ、2人ずつしか増えない、あるいは時々減ってしまう状況を日本は繰り返してきた。根本的な制度改革を引き続き求めていきたい」と指摘。

参院選に向けては「比例名簿は非拘束です。是非とも全ての政党が男女同数名簿を掲げる方向であってほしい。これはすぐにできることだと思っている」と求めた。