出産内祝い「なしにして」。赤井英和さんの妻佳子さんのツイートに共感続出。断りたい時はどうすれば?

出産の内祝いを「なしにして」。赤井英和さんの妻佳子さんのツイートが話題に。断りたい時や断られた時はどうしたら良い?マナーに詳しい専門家に聞きました。
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出産祝いへのお返しに贈る「出産内祝い」。

慣習として定着している一方で、「内祝いはいらない」と感じる人も少なくないようです。

俳優の赤井英和さんの妻佳子さんが6月、出産内祝いについてTwitterで次のように持論を述べました。

「出来れば提案したい。子供が産まれた時のお祝いのお返しの内祝をなしにしてほしい。ほとんどの場合、赤ちゃん産んだばっかのお母さんが、色々準備してお返しする。お祝いした方はお返しいらないし、全部ママに使ってもらいたいし、ママや赤ちゃんが元気ならそれでこっちも幸せだからね」

この投稿には13万を超える「いいね」がつき、多くの共感のコメントも寄せられています。

出産直後の家庭に、内祝いの品物を選んで一つひとつ郵送するという手間をかけさせたくないという思いに共感する人は多いのではないでしょうか。

出産内祝いの由来は?

日本大百科全書によると、「内祝い」とは「内輪だけの祝い」の意。現在では、「祝い品を贈られた際の返礼のしるし」との意味で広く使われています。

マナーに詳しい現代礼法研究所代表の岩下宣子さんによると、出産内祝いはもともと、子の誕生後に地域の人々を自宅へ招き、飲食をともにして赤ちゃんをお披露目するという風習に由来しているそうです。

「『生まれた子をこれからよろしくお願いします』という意味で行われていましたが、徐々にそうした場が減り、今では自宅に呼ぶのではなくお祝いをくれた方に品物で返すのが一般的になっています」(岩下さん)

「半返し」「産後1か月めど」ルールがつらい

「出産 内祝い マナー」と検索すると、「お祝いにいただいた額の3分の1〜半分程度を目安にお返しする」「産後1か月をめどに送る」といった、一般的とされる様々なルールの情報が目に止まります。

2021年に第一子を出産したゆづさんも、こうしたルールに悩んだ経験があり、「内祝いは不要」と考える一人です。

「初めての出産でわからないことが多く、調べることがたくさんあり、内祝いもその一つでした。お祝いをいただくのはとてもうれしいことですし、それに対してお返しをしたいという気持ちはありました」

ゆづさんが苦労したのは、もらった祝い品や祝い金の半分程度の品物をお返しする「半返し」ルールや、産後1か月以内に送るという「マナー」でした。

「産後でボロボロになりながら慣れない育児で必死の中、内祝いのサイトを探し、カタログの中から(もらった品物の)値段に応じて商品を選び、一人ひとりの住所を入力して...その作業がすごく大変でした。いただいた物の金額を調べるのも気が引けました。生まれて間もない時期は赤ちゃんも2時間おきに起きてしまうので、少しでも時間があるのなら睡眠に回したかったです」

こうした自身の経験から、ゆづさんは「今後自分が出産祝いを贈る際には、内祝いは不要だと必ず伝えよう」と決心したといいます。

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Yana Tatevosian / 500px via Getty Images

「お返しの文化は素敵だと思うのですが、ルールに縛られてお互いにとって気持ちの良いものではなくなっている面もあるように思います。産後は本当に大変な時期なので、受け取った側が義務に感じることなく、(不要と伝えることで)少しでも負担を減らせたらうれしいです」

40代会社員のらなこさんも、出産祝いの一部が自分に返ってくることに疑問を抱いていたと明かします。

「赤ちゃんのためにお祝いを贈っているのであり、お返しがほしくて渡しているわけではありません。贈る時に『お祝い返しはいらないから、赤ちゃんのために使ってね』と気持ちを伝えるようにしています」

断る時、断られた時はどうしたら?

相手に気を遣わせることなく、出産内祝いを断るにはどのように伝えたら良いのでしょうか。

岩下さんは、内祝いを断りたい場合、出産祝いを贈る際に「返礼拝辞(はいじ)申し上げます。そのままお受け取りください」などと記して真意を伝える方法があると話します。

「『お返しはいりません』という言葉が本心なのか社交辞令なのかは、お付き合いの中でその人自身が最も分かるはずです。相手が心から不要と言っていると感じるなら、お返しはしなくて良いと思います」

その上で、岩下さんは「お言葉に甘えてお返しはしません。いただいた物、とても助かっています」と書いた手紙を送ったり、余裕のある時に赤ちゃんの写真をメールなどで共有したりすることで、品物の代わりに感謝を伝えることは十分可能だと言います。

「そもそも贈り物は、どんな物が喜んでもらえるかなと想像する楽しみがあり、贈る人自身にとってうれしい行為です。『〜しなければいけない』ということはなく、それぞれの方法で思いやりの気持ちを表現できればそれが一番なのではないでしょうか」

(取材・文=國崎万智@machiruda0702/ハフポスト日本版)

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