衝撃的すぎた「チョコミント胡麻どうふ」開発のきっかけはすごく真面目だった

「いわゆる歯磨き粉の味」と言われても、「チョコミン党」は負けなかった。
チョコミント胡麻どうふ
チョコミント胡麻どうふ
ふじや食品提供

胡麻豆腐といえば、ヘルシーで精進料理などに使われるイメージが強い。

そんなイメージを打ち破る衝撃の組み合わせ「チョコミント胡麻豆腐」が大きな注目を集めている。

Twitterでは「どゆこと!????」「人類には…まだ……早すぎる」「デザートなのか副菜なのか」「チョコミン党支持者なので食べて見たい」など、さまざまな反響を呼んだ。

チョコミントといえば確かに夏にぴったりのフレーバーだが、「胡麻豆腐」とのコラボレーション…とは…?

製造・販売する福井県の「ふじや食品」に、その開発経緯を聞いた。

胡麻豆腐を広めるためには「インパクトやパンチが必要」

胡麻豆腐はねり胡麻をくず粉で固めた料理で、大豆からつくられた豆腐とは全く別物だ。

家庭料理としては存在感が高くないため、関心を持ってもらうきっかけにーと、ふじや食品では2018年の「くるみ胡麻どうふ」をスタートに、スイーツ系の胡麻豆腐シリーズを展開している。

2022年の夏限定商品を話し合う中で「チョコミント胡麻どうふ」の案が浮上。夏になるとスーパーやコンビニでチョコミント味の製品が必ず並ぶこと、チョコミントを愛する人のことを「チョコミン党」と呼びSNSでも話題になること、胡麻豆腐を広めるきっかけとしてインパクトやパンチが必要だと感じたことなどから、開発に向かったという。

ちなみに同社はすでに昨年、秋冬限定の「ショコラ胡麻どうふ」(現在は販売中止中)を販売しており、「チョコ×胡麻豆腐」はすでに実現している。

「いわゆる歯磨き粉の味」「絶対売れない」

アーモンド、さくら、チョコミント…さまざまなフレーバーの胡麻豆腐
アーモンド、さくら、チョコミント…さまざまなフレーバーの胡麻豆腐
ふじや食品の公式サイトより

しかし、「ミント」が入ることには社内で反発もあった。「ニッチなフレーバーにチャレンジする必要性があるのか疑問」「いわゆる歯磨き粉の味」「絶対売れない」という否定的な意見も多数寄せられたという。

一方で「常に新しいフレーバーにチャレンジするのはよい」「話題性、インパクトがありおもしろい」といった肯定的な声も。さらに、開発担当だけでなく役員の中にも「チョコミン党」がいたことが発売への後押しになった。

開発の中で苦労したのは、チョコミントと胡麻のバランスだ。

商品企画開発室室長の中島靖浩さんは「話題性だけのゲテモノ的な商品ではなく、きちんと『美味しい』と思ってもらえる風味バランス、食感を追求することに苦労しました」とコメントする。

苦労を乗り越え、5月1日に発売。8月末までの限定販売を予定している。

発売から1ヶ月余り。その反響は予想以上で、「胡麻豆腐はそこまで大きなカテゴリーではないので、ここまで反響が大きくなることは想定外でありがたく思っている」。

1か月の売上は目標の約1.5倍で、製造できる数も限られているため、極端に数量が増えると注文に応えられなくなるのではないかという心配があるほどだ。

苦手だった企画室長も「チョコミン党」に

意外すぎる組み合わせの「チョコミント胡麻どうふ」。

「美味しそう」「チョコかミントかゴマか1つに絞って欲しい」などさまざまな声が寄せられているが、実は企画室長である中島さんも、以前はチョコミントが苦手だったという。しかし、何度も食べているうちに苦手を克服。「今では私も『チョコミン党』です」と宣言する。

「面食らうのはごもっともですが、『ちゃんと美味しい』を目指して真面目に作った商品なので安心してお試しください」

おすすめは、よく冷やしたチョコミント胡麻どうふに生クリームを乗せて食べること。よりスイーツ感がアップするそうだ。

ふじや食品は今後も新たな胡麻豆腐を開発していくそうで、中島さんは「シリーズの他の製品や、ベーシックな胡麻どうふにも興味をもっていただけたら大変嬉しいです。次の新フレーバーにも期待していてください」と話していた。

チョコミント胡麻どうふは全国の量販店や生協などで販売中だが、もちろん置いていない店舗もある。筆者の自宅近くのスーパー2軒では見つけることができなかった。8月までには出会いたい。

注目記事