冬のエアコンの節電方法とは。風向きは「上向き」か「下向き」どっちが正解?

どれも今すぐできる基本的な節電法です。家計を圧迫する電気料金をなるべく低く抑えるために、エアコンの節電対策に取り組みましょう。
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ウェザーニュース

昨年12月、全国的に節電要請が行われ、今年は電気料金の値上げが避けられない見通しです。家計の中でも、電気代を負担に感じている人は多いのではないでしょうか。

冬場の節電対策となると、まずエアコンが思い浮かびます。どうすればエアコンの電気代を低く抑えることができるのか。設定温度を高くしすぎないことが大切ですが、リモコンの「ボタンひとつ」の操作で設定温度の上げ過ぎを抑えられるそう。また、その他にも日頃のちょっとした工夫やひと手間で効果的な節電対策ができるといいます。

ダイキン工業コーポレートコミュニケーション室広報グループの重政周之(しげまさ・ちかし)さんに伺いました。

ポイント(1)風向きを下向きに設定する

エアコンの風向き
エアコンの風向き
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エアコンで室内を暖房するとき、電気料金を節約するために設定温度を上げ過ぎないようにする簡単な工夫とは何でしょうか。

「空気の性質を理解しておくことが大切です。冷たい空気は部屋の下のほうにたまりやすく、あたたかい空気は天井近くにたまりやすい性質を持っています。そのため、室内では“温度ムラ”が発生し、人が暮らす足元の方が天井側に比べて温度が低い状態になります。

この状態で足元を温めるにはエアコンの設定温度を上げたくなってしまうのではないでしょうか。ですが、温度ムラを抑えて天井側に溜まった熱が足元に降りてくるようにしてあげれば、必要以上に設定温度を上げることを避けられます。

エアコンで室内を暖房するときは、風向を下向きに設定してください。床からあたため始めるような気持ちで温風を送り出すと、床に向かって出たあたたかい空気は自然と天井に向かって上がっていくので、結果的に温度ムラを抑えることにつながります。

さらに、室内機の向かい側に空気清浄機などの風を吹き上げるような機械を置くと、室内の空気が撹拌(かくはん)されて、温度ムラを抑える効果を高められます」(重政さん)

ポイント(2)風量はできるだけ“自動”で

設定温度を上げ過ぎないようにする工夫以外にも、エアコンの使い方次第で節電につながります。例えば、「風量を弱めた方が節電」と思う人も多いと思いますが、必ずしもそうではないようです。

「エアコンで電力を消費するのは、電源を入れてすぐなどの設定温度まで温度を上げるときで、設定温度に達した後は温度を維持するために使う電力は少なめなのです。

風量を弱めたほうが、消費電力は少ないように思いますが、設定温度まで室温を上げるのに時間がかかり、余計な電力を使うことになります。

風量は“自動”に設定したほうが、節電効果は上がります。風量設定を“自動”にしておくと、強い風量でできるだけ早く室内を暖め、室内が暖まったら自動で風量を抑えてくれるので、効率的です」(重政さん)

ポイント(3)こまめなスイッチON/OFFはNG

節電のためにはできるだけ運転時間を減らしたほうが良さそうですが、部屋の出入りや温度に合わせてこまめにスイッチをON/OFFしたほうがいいのでしょうか。

「照明のスイッチなどはこまめにON/OFFした方が節電につながりますが、エアコンの場合は、こまめなON/OFFが消費電力量の増加につながってしまうことがあります。

前述したように、エアコンはスイッチを入れてすぐのときなど“部屋を急速にあたためる”ときに多くの電力を使います。こまめにON/OFFするとそうしたタイミングが増えてしまいますので、ちょっと部屋を空けたり、30分ほどの短時間の外出だったりする場合は“つけっぱなし”にしておくことをお勧めします。

また、『あたたかくなったらスイッチを切り、寒くなってきたらまたスイッチを入れる』という室温調節も消費電力量の増加につながりますので、前述のとおり、風量は自動に設定しておくことをお勧めします」(重政さん)

その他、いろいろある節電ポイント

ほかにもエアコンの節電効果を高めるための方法を教えてもらいました。

▼太陽熱を取り入れる
昼間の太陽の熱はカーテンを開けて積極的に室内に取り込み、部屋をあたたかくしておくと暖房の効率が上がります。夜間は厚手のカーテンや断熱シートで窓を覆い、熱を外に逃がさないようにしてください。

▼湿度を上げる
部屋の湿度が上がれば体感温度も上がり、設定温度を上げたときと同じような効果が得られます。エアコンに湿度調節機能があれば、40~60%に設定してください。加湿器や加湿機能付きの空気清浄機もお勧めです。なお、加湿機能付きの空気清浄機なら、室内の空気の撹拌にも役立つので、一石二鳥といえます。

▼フィルターを掃除する
エアコン内部のフィルターにゴミやほこりがたまると、部屋をあたためるのに多くの電気が必要となります。2週間に1度はフィルターのほこりを掃除機で吸い取るか、水洗いしましょう。汚れがひどければ中性洗剤をとかしたぬるま湯で洗い、日陰でよく乾かしてから使ってください。

どれも今すぐできる、基本的な節電法です。みなさんも、家計を圧迫する電気料金をなるべく低く抑えるために、この冬エアコンの節電対策に取り組みましょう。

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