「マルチタスクで迷子になる」を解決する、たった3つのライフハック

なぜ自分はうまく仕事がこなせないのだろう。「いくつもの仕事を同時並行で進めることができない」を解決するポイントは「優先順位づけ」にありました。『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』(共著)著者の小鳥遊さんが伝授する、ライフハックです。
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wenmei Zhou via Getty Images
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どこから手をつければいいのか迷子になる

私は会社員時代、総務として働いていました。

名刺作成、備品購入、入退室カード貸出、自販機補充業者対応、来客・郵便・宅配対応…。例えば、このような業務は、おそらくどの会社でも総務が担当することになるでしょう。

さらには、各部署のレイアウト変更の案出しや会議の議事録作成といった仕事も、総務が担当することが多いです。

「今日やることは何かな?」と考えただけでも、ざっとこれくらいの仕事が出てくるなか、どこから手を付けていけばよいかがわからず迷子になってしまっていた。そんな経験から私がたどり着いた「いくつもの仕事を同時並行でやらなくてはいけない」=「マルチタスクをこなす」方法を紹介します。

まずは仕事のグルーピング

まずは、目の前の仕事を次の3つにグルーピングし、整理したいと思います。

ルーチンタスク①

…すぐにやって終わらせる必要がある単発仕事

→入退室カード貸出、自販機補充業者対応、来客・郵便・宅配対応

ルーチンタスク②

…半日~1日で終わるが複数の過程がある仕事

→名刺作成、備品購入

長期タスク

…複数日かかり複数の過程が必要な仕事

→レイアウト変更案出し、会議の議事録作成

このグルーピングにより、優先順位のつけ方などの対応方法が定まってきます。

なぜ迷子になってしまうのか?

ここで一旦、同時並行の仕事で迷子になってしまう理由を紐解いてみます。

全部いっぺんにやろうとしてしまう

ちょっと考えれば分かりそうなものですが、「やらなきゃいけないこと」が同時に複数現れると、私はなぜか「全部いっぺんにしなければ」と考えていました。

その時点で思考停止し、何も動けなくなってしまい仕事がまったく進まない、ということになります。

ルーチンタスク①が優先できない

ルーチンタスク①の仕事はすべて即対応が求められ、自分の裁量で後回しにすることはできません。宅配業者に「すみません、今手が空いていないので午後までそのまま待っていてください」とは言えません。

しかし私は、「えーと、今名刺データの入力中なんだけどな...」となってしまい、宅配業者の方が来たとしてもスムーズに対応できない、といったことがよくありました。

ルーチンタスク②や長期タスクを手順ごとに分解していない

いざルーチンタスク②や長期タスクに取りかかれる状況になったとしても、「…で、何をすればいいんだっけ?」と迷ってしまうことがありました。

すぐに「議事録のひな形データをコピーする」や「部署別の人数を確認する」といった、具体的な手順に分解できていれば、すぐに行動できます。そこが明らかになっていないので動けない、という経験がよくありました。

「一度に1つのことしかできない」は当たり前

それらをふまえ、マルチタスクで迷子にならないための3つの解決法をお伝えします。

何より「自分は一度に1つの行動しかできない」と割り切ることが大事です。全部いっぺんにやろうとしてしまうから結果的に動けなくなるので、目の前にある1つの行動だけを考えるようにしましょう。それが、スピーディーな仕事の進みにつながります。

ルーチンタスク①は都度優先して対応する

いくらレイアウト変更について名案が浮かんだとしても、来客があったらその思考を中断してすぐに対応しなければいけません。「この仕事は即対応が必要!」という開き直りが必要です。

ルーチンタスク②と長期タスクはあらかじめ「手順」と「その締切」を書き出す

ルーチンタスク①は2、3分で終わるような、手軽に手をつけることができる軽い仕事です。それに対してルーチンタスク②や長期タスクは、何から取りかかればよいかしばし考えないといけないので「重い」と感じることでしょう。これらが混在した状態だと、「重い仕事」に取りかかりづらくなってしまいます。

なので、「複数の手順を含む(=重い)仕事は、手順を分解し、最初の作業を書き出す」「各仕事の手順に締切を設定」すれば、「重い」と感じていた仕事にも手をつけられやすくなります。また、そもそも手をつけなくてよい仕事も分かります。

※「今日」を4/1と設定しています。

このように、どの仕事も具体的に実行できる行動へ分解して取りかかりやすくすることで、「どれから、どのように取りかかればいいのか?」と迷子になることを避けやすくなります。

ルーチンタスク①>ルーチンタスク②>長期タスクの優先順位で各手順に着手する

ここまできたら、あとは手をつける順番を考えるだけです。ルーチンタスク①が最優先なのは前述したとおりです。さらに、その他については、「その日に終わらせなければいけないルーチンタスク②」「その日に終わらせなくてもいい長期タスク」の順で手を付けていくとよいです。

今回はマルチタスクで迷子にならないための優先順位づけの一例を紹介しました。ただ、このやり方をやってみてもうまくいかないときがあるかもしれません。そんな場合は、仕事の許容範囲を超えていることが多いので、周囲に頼るか、上司へ相談してみてください。

(文:小鳥遊 編集:毛谷村真木/ハフポスト日本版)