ケニアの森で47人の遺体が発見。カルト教団指導者から「餓死すればイエスに会えると言われた」

閣僚の一人は事件について「憲法で保障された信仰の自由という人権を、明確に侵害している」と述べています

ケニア南東部マリンディにあるシャカホラの森で、これまでに子どもを含む47人の遺体が発見された。

AP通信によると、この森では4月に15人の「グッドニュース・インターナショナル教会」のメンバーが救助され、そのうち4人が病院に運ばれる前に亡くなった。

また、この事件に関連して教会の指導者ポール・マケンジー・ヌセンゲ容疑者が4月15日に逮捕された。

遺体を掘り起こす法医学専門家や刑事らを見守る警察官(2023年4月23日)
遺体を掘り起こす法医学専門家や刑事らを見守る警察官(2023年4月23日)
STRINGER via Reuters

AP通信によると、警察は市民からの密告を元にヌセンゲ容疑者が所有するシャカホラの森を捜査した結果、15人の衰弱した人々を発見した。

救助された人々は、ヌセンゲ容疑者から「餓死すれば天国でイエスに会うことができる」と言われたという。

警察は、シャカホラの森に何十もの墓があるという情報をもとに21日から掘り起こしを始めている。

BBCによると、地元の放送局はヌセンゲ容疑者を「カルト指導者」と呼んでいる。

また、同容疑者は子どもの死亡事件に関連して、2019年と2023年3月に2度逮捕されたが、いずれも保釈された。

2023年の事件では、ヌセンゲ容疑者は、2人の子を持つ親に、子どもたちを餓死や窒息死させるように求めたという。

両事件の裁判は現在も続いており、地元の政治家たちは今回ヌセンゲ容疑者を釈放しないよう裁判所に要請している

シャカホラの森で救助された若者を運ぶ人々(2023年4月23日)
シャカホラの森で救助された若者を運ぶ人々(2023年4月23日)
YASUYOSHI CHIBA via Getty Images

ケニアのキトゥレ・キンディキ内務・政務調整長官は今回の事件について「シャカホラの森の虐殺は、憲法で保障された信仰の自由という人権を明確に侵害しています」とツイート。

さらに、「国家は宗教の自由を尊重するが、今回の事件では加害者に対する最も厳しい刑罰だけでなく、自主規制も含めて、すべての教会やモスクや寺院、シナゴーグに対するより厳格な規制をもたらす必要がある」とも述べている。

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