「競ったら絶対、大丈夫。強いからね」仙台育英・須江航監督、履正社戦で選手にかけた“言葉のマジック”。試合後インタビューに反響

「青春って密」から1年。履正社との大一番に「“神様がこの試合勝て”と言ってくれてるんだって選手に話をして、冷静にその後プレーしてくれました」
仙台育英の須江航監督(2022年夏)
仙台育英の須江航監督(2022年夏)
時事通信社

阪神甲子園球場で行われている夏の全国高校野球選手権大会。8月17日はベスト8をかけて4試合が行われる。第1試合では2022年の優勝校の仙台育英(宮城)が履正社(大阪)を4-3で下した。

この2校の対戦は今大会屈指の好カード。X(旧Twitter)では「事実上の決勝戦」が日本のトレンドになるなど、高校野球ファンの注目度も高かった一戦だった。

2022年の優勝後インタビューでは「青春って、すごく密なので」とコメントし、注目を集めた仙台育英の須江航監督。1年後となる今大会でも、履正社戦の試合後のインタビューで多くの人を惹きつける言葉を残した。

選手を奮い立たせた、その言葉を振り返る。

「まだベスト8なんだ...強かった」

試合後、報道陣の取材に応えた須江監督。履正社との試合の印象を聞かれると次のように話した。

「まだベスト8なんだなという気持ちです。(履正社)強かったですね」

相手はこの夏、大阪桐蔭を破って大阪代表を勝ち取った履正社。対戦相手へのリスペクトを忘れなかった。

簡単な試合ではなかった。仙台育英は投手陣を中心とした非常に堅い守りも特徴だが、この試合では珍しく、3回の1イニングで3つのエラーを記録していた。だが、須江監督は選手たちがエラーをした後にポジティブな言葉をかけていた。

「前半に守備のミスがたくさん出て、あそこで奇跡みたいに1点しか取られなかったので運命というか、“神様がこの試合勝て”と言ってくれてるんだって選手に話をして、冷静にその後プレーしてくれました」

「競ったら絶対、大丈夫だから。強いからね」

チームの士気を高めたこの場面への言及は、それだけで終わらなかった。

「投手が本当によく投げて、守備もエラーのランプが付きましたけど、“悪くないよ”って(言いました)。投手も“落ち込まないで良いボールがいってるから自信を持ってやりなさい”」と声をかけたことを明かした。

「幸い、初戦と2戦目で厳しいゲームを経験できたので、“競ったら絶対、大丈夫だから。強いからね”って話をしてました」

選手を信じ、モチベーションを高める言葉の力は、この試合中にも出ていた。さらに、試合後にはベンチ外のメンバーへの熱い気持ちも言葉にした。

「スタンドで応援してくれる子も、激しい競争を繰り広げてくれて、全員がスタメン。誰が出ても遜色ない選手がそろっているんで」

チーム一丸。団結して目指す大会連覇。頂点まであと3つ。次戦は準々決勝の第4試合に登場する。「青春って、すごく密」から1年。仙台育英の夏は続く。

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