台風11号が発生か。「トリプル台風」の可能性。世界の気象機関の進路予測は?

現在、太平洋には台風9号、台風10号の二つの台風があり、その間で発生したのが今回の熱帯低気圧です。気象庁は「24時間以内に台風に発達する見込み」と発表しています。
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8月28日(月)6時現在、マリアナ諸島で発達中の熱帯低気圧について、気象庁は「24時間以内に台風に発達する見込み」と発表しています。次に台風が発生すると台風11号と呼ばれることになります。

日本列島に近づく可能性も考えられるため、今後の進路や勢力に注意が必要です。

▼熱帯低気圧 8月28日(月)6時
中心位置 マリアナ諸島
移動 西 ゆっくり
中心気圧 998 hPa
最大風速 15 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 23 m/s

熱帯低気圧が発達しやすい環境が整う

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現在、太平洋には台風9号(サオラー)、台風10号(ダムレイ)の二つの台風があり、その間で発生したのが今回の熱帯低気圧です。

マリアナ諸島付近では、南西からのモンスーンと東からの貿易風が合流している「モンスーントラフ」と呼ばれる、広く見ると低気圧に相当する気象環境となっています。モンスーントラフには反時計回りの風の循環があり、この中で台風が生まれることが少なくありません。

現時点でこの海域は海面水温が30℃以上と水蒸気を供給するためには十分な暖かさとなっています。台風9号・台風10号とも離れていて相互作用もほとんどなく、発達を阻害するような上空の風の流れもないため、熱帯低気圧が発達するのに適した環境が整っているといえます。

この熱帯低気圧は台風になったあと北西に進み、次第に日本列島に近づく予想となっています。気象庁の熱帯低気圧情報では、9月1日(金)3時には中心は沖縄の南にあって、中心気圧は980hPa、中心付近の最大風速は30m/sと暴風域を伴う勢力になっていると予想されています。

その後の進路次第では日本国内に影響を及ぼすことも考えられますが、まだ予測の誤差がある状況です。

参考 世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果
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参考 世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果

この図の細い線1本1本は世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にはかなりの幅があるということをイメージするために掲載しています。

これらのメンバーを比較すると、北西に進む傾向は概ね揃っているものの、沖縄付近を通って東シナ海方面に向かうもの、台湾などそれよりも南側へ向かうもの、本州の南へ北上するものまで幅があり、進路予測のばらつきが大きいことがわかります。

進路だけでなく、タイミングや勢力の予測も誤差がかなり大きい状況です。日がたつにつれて誤差は縮小する見込みですので、今後の情報にご注意ください。

8月5つ目の台風発生か

平年の台風発生数
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平年の台風発生数

今年の8月は台風7号、9号、10号が発生したほか、西経域から入ってきたハリケーンが台風8号になっています。次に台風が発生すると、台風11号と呼ばれ、今月5つ目の台風発生(北西太平洋での発生は4つ目)となります。

8月の台風発生数の平年値は5.7個で、一年の中でも一番台風の発生が多くなる時期です。

今年は平年よりも台風の発生数がやや少ないペースとなっていますが、ウェザーニュースの予想では年内にあと10個以上の台風が発生するとみています。

秋が近づくと本州付近へ影響する台風が増えることが想定されるため、これからの時期に備えて台風対策・大雨対策を整えるようにしてください。

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