公園で子どもの誕生日を祝ってピクニックをしているところに突然、招かざる客がやってきたーー。
メキシコ・モンテレイの郊外にある公園で9月25日、シルビア・マシアスさんがダウン症の息子サンティアゴさんの15歳の誕生日を祝っていた時のことだ。
親子が公園内のテーブルに腰を掛け、持ってきたタコスやエンチラーダ(具材をトルティーヤで巻いた料理)、サルサ、フライドポテトを広げた途端にクマが現れたという。
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黒色のクマはテーブルの上に乗り、むしゃむしゃと料理に食いついた。クマと親子の距離は20センチほど。
シルビアさんがとっさに取ったのは、その場から逃げるのではなく、クマの注意を引かないように置物になる作戦だった。
サンティアゴさんと横並びに座っていたシルビアさんは、クマがサンティアゴさんの視界に入らないようにするため、手で目隠しするような形で抱き寄せた。
サンティアゴさんは大人しくじっとしていて、シルビアさんも伏目がちに一点を見つめ、静止画と錯覚するぐらい固まったまま動かない。
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クマはその間もまったく気にすることなく、テーブルに並んだ料理を食べ進め、その後去って行ったという。
シルビアさんはAP通信の取材に、サンティアゴさんは犬や猫を含めて動物が怖いので目隠しをしたと説明している。クマは 唸り声が聞こえ、獣臭も感じるほど接近していたといい、サンティアゴさんがクマを見て叫んだり、走り出したりすると危険だと考えたという。
BBCによると、公園のウェブサイトにはこの地域では人間がクマと遭遇する事案が増えているという警告が記載されている。クマと遭遇した時にやってはいけないこととして、クマに近づいて写真を撮ることが挙げられている。
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