夜中に脳卒中を起こした高校生、飼い犬のボーダーコリーに救われる。医師も「治療の結果を分けた」と称賛

家族みんなが寝静まる中、高校生に起きた異変に気付いたのは1歳の「アクセル」でした。

夜中に脳卒中を起こした高校生の命を、飼い犬のボーダーコリーが救い、称賛が集まっている。

医師が「もし犬がいなかったら、回復することはなかっただろう」と言うほどの奇跡について、NBCのニュース番組トゥデイやABCの情報番組グッド・モーニング・アメリカ(GMA)などが取り上げている。

奇跡を経験したのは、アメリカ・テキサス州に住む17歳の高校生ガブリエル・シルバさん。

GMAによると、発端は8月26日深夜。自宅にいたシルバさんは自分の部屋に向かっている時に倒れた。それまで何の健康問題も抱えていなかったシルバさんはわけがわからなかった。「ただ倒れたんです。部屋が崩れ落ちるような感覚でした」と振り返っている。

右半身が麻痺し、言葉もうまく出ない。視界はぼやけ、物が拡大して見えたという。寝静まっている家族に助けを求めることはできなかった。後の診断で、脳に血液を送る動脈が裂け、血流が遮断されたことによって脳卒中に見舞われていたことがわかった。

異変を察知し、救助に動いたのが飼い犬で1歳のボーダーコリー、アクセルだった。午前5時、アクセルはシルバさんの両親の寝室に駆け込んだ。

シルバさんの母親はこの時のアクセルの様子について「いつになく前足で突いて起こしてきた」とトゥデイの取材に語っている。外に出たいのだろうと思い、裏庭に出られるようにドアを開けてあげたが、アクセルは出て行こうとしなかった。

アクセルは逆方向にあるシルバさんの部屋の前に行き、今度はそのドアを前足で突いたという。

アクセルに促されるように部屋の中をのぞいた父親がシルバさんの異変に気づき、すぐに病院に連れて行くことができた。

シルバさんを治療した神経外科医は、飼い犬のアクセルの行動が治療の結果を分けたと指摘している。この医師は「急激な脳卒中を起こすと、神経細胞が死滅していきます。もしシルバさんが発見されないままさらに3〜4時間経っていたとしたら、脳はもっともっと傷ついてしまっていたでしょう」とトゥディに話している。

シルバさんは脳卒中で失われた機能を回復させるため、リハビリに取り組んだ。現在は退院し、外来で治療を続けながら高校で再びサッカーをすることをめざしているという。

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