手洗いのすすぎは何秒以上が効果的?インフルエンザの季節に気をつけたいポイント

手洗いのすすぎ時間によっては意外と菌が手に残る可能性があるといいます。
ウェザーニュース
これからの季節、インフルエンザやノロウィルスなどの感染症が増えてきます。コロナ禍をきっかけに、感染症対策には手洗いが重要、ということは浸透しましたが、皆さんは石けんなどで手を洗った後、すすぎにはどれくらいの時間をかけていますか?

ウェザーニュースで実施したアンケート調査では、「10〜20秒程度」が男女ともに最も多い割合で、全体の7割ほどを占めています。

次いで「30秒以上」「5秒程度」と続く結果となりましたが、「30秒以上かけて」は女性の21%に対して男性は15%、「5秒程度」は女性の6%に対して男性は13%と、男性の方がすすぎにかけている時間が短いことが分かりました。
ウェザーニュース
実は、手洗いのすすぎ時間によっては意外と菌が手に残る可能性があるといいます。詳しい話を、エフコープ生活協同組合機関運営・広報部の光安さんに伺いました。

手洗い中の泡には汚れや菌が潜んでいる

手を洗う際には、最初にハンドソープやせっけんをつけて、しっかり手をこすり合わせます。

「せっけんなどが泡立つと、手のひらのくぼみやしわの細部に入り込んでいた汚れや菌が浮き出てきます。そのため、浮き出た汚れや菌を含んだ泡を十分に洗い流さないと、かえって菌が手の表面に広がってしまう可能性があるのです」(光安さん)

すすぎ時間で菌数の変化を調査

菌を手の表面に広がらないようにするには、どうしたらよいでしょうか。

「菌を手の表面に広げず、菌数を減らすために重要なのはすすぎ時間です。エフコープ商品検査センター『りんご館』では、最も菌数を減らす効果的なすすぎ時間を検証するため、手を洗う際のすすぎ時間と残留する菌の関係を調査しました」(光安さん)

調査方法は、泡状のハンドソープをつけて、15秒間手を洗った後、手洗い前の状態と3通りのすすぎ時間(10秒、30秒、60秒)で、菌の状態を比較しています。
ウェザーニュース

すすぎ30秒以上が効果的

検証の結果、せっけんやハンドソープで手をこすり洗いした後、菌数を減らすには、30秒以上のすすぎ時間が必要ということがわかりました。

「私達の感覚的には、10秒程度すすぐと、せっけんやハンドソープは落ちて、汚れや菌がしっかりとれた感覚になります。しかし、実は10秒程度では手を洗う前と比較しても菌数は大きく変化していません。しかも、洗う前にはなかった別の種類の菌が出てきている箇所(写真・A)もあり、これは驚きでした。

一方、すすぎ時間に30秒、60秒かけると、ほぼ菌は手のひらから落ちていることがわかりました。つまり、こすり洗いした後は、30秒以上かけるとほぼ問題ない程度まで菌を洗い流すことができる、と言えます」(光安さん)

手洗いのすすぎは30秒以上という検査データが出ていますが、これから冬の感染症が増える季節です。これまでよりも念入りにすすぎをして感染予防につとめましょう。
» アプリ お天気ニュース記事一覧
取材協力
エフコープ生活協同組合 CHEER!days

【関連記事】