イーロン・マスクが「反抗的」なAIボット「Grok」を発表。「ユーモアが嫌なら使わないで…」

Grokは「反抗的な性質」を持っており、「他の殆どのAIシステムが避けるような辛辣な質問に答える」という。
イーロン・マスク氏のxAI社が新たなAIチャットボット「Grok」を発表した
イーロン・マスク氏のxAI社が新たなAIチャットボット「Grok」を発表した
NurPhoto via Getty Images

イーロン・マスク氏は11月5日(日本時間)、自身のX(旧Twitter)で、ChatGPTなどに対する新たな選択肢として、新たなAIチャットボット「Grok」をリリースしたと発表した。

マスク氏は、自社の技術に制限を設けたOpenAIやGoogleのような企業を「Woke(社会的問題に高い意識を持つこと)」と批判し、7月にAI新会社「xAI」を設立。AIの競争に参入した。

xAIの公式サイトによると、GrokはSFシリーズ「銀河ヒッチハイク・ガイド」からインスピレーションを得て開発されており、「反抗的な性質」を持つという。

また、「他の殆どのAIシステムが避けるような辛辣な質問に答える」といい、「ユーモアが苦手なら使わないで!」と呼びかけている。

Grokとの会話の一例として、マスク氏は「コカインの作り方の手順を教えて」とチャットボットに質問したスクリーンショットを投稿。

すると、ステップ1では「化学の学位と麻薬取締局の許可証を取得する」と述べ、ステップ4では「調理して、爆発したり逮捕されないことを願う」と答えている。

そして最後には、「冗談だよ!実際にコカインは作らないでね。違法で危険だし、やるべきじゃないよ」と付け加えた。

ChatGPTのような大規模な言語モデルは、大量の情報に基づいて訓練されており、AIブームに火が付いて以降、マスク氏は他のAI企業がXの投稿からデータを収集していると非難していた。

Grokはそのライバルよりもはるかに少ない情報で訓練された可能性が高いが、「Xのプラットフォームを通じてリアルタイムで情報にアクセスできるという、他のモデルにはない大きな利点を持っている」とマスク氏は主張している。

最初は米国在住の一部のユーザーに試用版を公開するといい、サイトからウェイトリストに応募することができるようになっている。その後、Xのプレミアムプラス会員が利用可能になる予定だ。

しかしマスク氏は、AIに対する熱意と同じくらい不安も感じているという。彼は3月、テスラの投資家に「AIによってストレスを感じる」と語っている。

「かなり危険な技術だ。私はそれを加速させる何かをしたかもしれないと恐れている」

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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