布団を干した時、最も「花粉」が付着する場所は?花粉を落とす3つのテクニック

花粉が本格的に飛散し始めました。室内に花粉を持ち込まないための布団の干し方をご紹介します。
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花粉シーズンに入り、スギ花粉の飛散が本格化しています。

ウェザーニュースが花粉に関するアンケート調査を実施した所、「東北」「北陸」「甲信」以外の地域では9割以上が花粉を感じると回答しています。

また、「関東」「東海」「九州」では「けっこう感じる」という回答の割合も約5割に上るなど、花粉に苦しむ人も増えているようです。
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少しでも症状が軽くすむよう、シーズン中はできるだけ花粉を室内に持ち込まないためにも見逃せないポイントなのが「布団」です。

心地よく眠るためには定期的な天日干しは欠かせません。そこで、花粉を防ぐ干し方のテクニックを紹介しましょう。

花粉を避ける工夫を

花粉症の原因は言うまでもなく花粉です。春に飛散するスギやヒノキなどの花粉が体に入ることで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状が引き起こされます。

花粉症対策の基本とされるのが、なるべく花粉を体内に入れないことです。そのためにも外出時にはマスクやメガネ、服装などで花粉を避け、室内には花粉を持ち込まないことが大切です。

「室内に入ってくる花粉の約40%は付着による持ち込み」と、花王・コンシューマーインテリジェンス室の福地さんは指摘します。なかでも注目したいのが布団による花粉の割合です。

「3〜4人家族を想定した実験を行ったところ、室内への花粉の持ち込みのうち約22%が布団によるものだったのです。洗濯物が15%、外衣が2%であることを考えると、布団に付着する花粉はかなりの割合を占めているのです」(福地さん)

洗濯物については注意が必要だとよく聞きますが、布団の付着がこんなに多いとは意外です。

「花粉症対策には換気の工夫や床面の花粉の除去なども、もちろん重要ですが、布団の干し方にも注意することが大切だといえるでしょう」(福地さん)

布団の花粉を防ぐには

布団で花粉を侵入させない方法として考えられるのは、外干しを止めることです。しかし、人は一晩にコップ1杯分もの汗をかくとされており、湿気がたまると睡眠環境が悪化します。さらに、ダニやカビなども問題となります。

「室内でも日当たりのよい場所に広げたり、イスなどにかけて風通しをよくして、湿気を減らすことはできます。

ただ、天日干しは湿気除去や殺菌効果などが期待でき、寝心地もよくなるお手入れです。外に干すときには、花粉の付着量を減らす工夫をするとよいでしょう」(福地さん)

具体的に花粉の付着を減らすためのポイントは次の3つです。


(1)体に触れる面を内側に干す
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干しているときの面によって、花粉の付着量に差が出ます。

「実験の結果、直接風の当たる面の外側(A面)が最も付着しやすいことが分かりました。また、風が当たらない面でも外側(D面)であればある程度付着しやすいです。逆に内側の面(B面・C面)は付着量が少なくなります。

図で見ると、A面→D面→B面→C面の順で付着量が少なくなります。つまり、干すときには、寝るときに体に触れる面が内側(B面・C面)になるように干しましょう」(福地さん)

(2)取り込むときに花粉を除去
布団についてしまった花粉を払うことで、室内に持ち込まれる量を減らすことができます。

「布団についた花粉は、手で払うだけで57%の花粉を除去できます。布団の裏側にも花粉は付着するので、両面を払うようにしましょう。

除去率を高めたいなら、手で払ったあとに布団クリーナーや掃除機をかけるとよいでしょう。掃除機は、布団用のノズルをつけて使用します。

なお、布団叩きなどで布団を叩いて落とそうとするのは、花粉が舞い上がったり、繊維の奥に入り込んだりするため逆効果です。手で払うときは、叩かないようにサッと上から下へ払うようにしましょう。

また、布団に直接花粉が付くのを防ぐ工夫として、表面を1枚余分な布でカバーして干すのもよいですね」(福地さん)

(3)静電気を予防
布団カバーに柔軟仕上げ剤や静電気防止効果のあるスプレーを使用するのも効果があります。

「静電気が起きると花粉が付着しやすくなります。洗濯の際に柔軟仕上げ剤を使うか、布団を干すときに静電気防止効果のある布用消臭剤をスプレーすると静電気による花粉の付着を軽減できます」(福地さん)

花粉飛散のピークはこれからです。少しでも穏やかに春を過ごせるように、花粉対策を心がけましょう。

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