世界で愛されたペンギンのゲイカップル、1羽が死ぬ。6年間のラブストーリーは、最後も感動的だった

オーストラリアの水族館で同性同士でつがいとなったスフェンとマジック。スウェンが死んだあと、マジックがとった行動とは?
スフェンとマジック
スフェンとマジック
Sea Life Sydney

同性同士でつがいとなり、その仲睦まじい様子が世界中で話題になった、ゲイのペンギンカップルの1羽が11歳で死んだことが、8月22日に発表された

オーストラリアのシーライフ・シドニー水族館で、ジェンツーペンギンのスフェンとマジックは、2018年からカップルとして暮らすようになった。6年間のラブストーリーに終止符が打たれ、悲しみの声が広がっている。

「平等のシンボル」として世界中に与えた影響

死んだのはスフェンのほうで、飼育員は8歳のマジックに「パートナーが戻って来ない理由を理解させるため」にスウェンの遺体と対面させた。すると、マジックは「すぐに歌い始め、他のペンギンたちの群れも、美しくそれに応えた」という。

同水族館のリチャード・ディリー館長は、スフェンの死後にメディアを通じて声明を発表した

「スフェンを失ったことは、ペンギンのコロニー、チーム、そしてスフェンとマジックの物語に触発され、前向きな影響を受けたすべての人々にとって悲痛なことです」

「私たちはこれを機会に、スフェンの人生を振り返り、祝い、そしてスフェンがいかに象徴的な存在であったかを振り返りたいと思います」

「スフェンとマジックは単なる美しいラブストーリーを紡いだというだけではありません。平等のシンボルとして世界中に与えた影響は計り知れません」

BBCによると、スフェンは亡くなるまでの数日間に健康状態が悪化しており、苦痛と不快感を取り除くために安楽死させられたという。衰弱の原因は調査中だ。

同水族館によると、ジェンツーペンギンの平均寿命は12~13年で、まもなく12歳になろうとしていたスフェンは長生きしたという。

子育てに熱心だった

マジックとスフェンは2018年から6年間にわたって連れ添い、水族館が初めて2人のロマンスを発表した時は「切っても切れない関係」だと説明された。

2羽連れ添って歩き回ったり泳いだりする様子が目撃され、2羽が協力して熱心に巣を作る様子もみられたが、彼らに足りなかったのが「卵」だった。

そこで飼育員が他のカップルの間に生まれた卵を与えると、マジックとスフェンは同じコロニーの他のどのカップルよりも熱心に卵を温め、孵化させたという。その結果ララが生まれ、2020年にはクランシーも誕生した。

マジックとスフェンのラブストーリーはメディアでたびたび紹介され、絵本や映画の題材にもなった。

※この記事はハフポストUS版を翻訳・編集しています。

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