
各地で夏休みに入り、早朝に「ラジオ体操」の軽快な音楽が公園から聞こえるようになった。
子ども達はカードにスタンプを押してもらおうと、眠そうな目をこすりながらラジオ体操会に参加し、出勤前の大人も子ども達と共に汗をかいている。
地域内の交流が希薄となっている現代、住民同士で顔を合わせ、コミュニケーションをとれることもラジオ体操会の魅力の一つだ。
そんなラジオ体操会だが、いつどこで始まったのかご存知だろうか。ハフポスト日本版は、ラジオ体操会の「発祥の地」を訪れた。
「ラジオ体操会」発祥の地
電気街やサブカルチャーの聖地として知られる東京・秋葉原(千代田区)。
山手線や京浜東北線が乗り入れるJR秋葉原駅から東に歩くと、7分ほどで「佐久間公園」に到着する。
周辺にはビルやマンションが立ち並び、こぢんまりとした園内には遊具や草分稲荷神社のほか、戦災殉難者の慰霊碑がある。
そして、「ラジオ体操会発祥の地」という記念碑が建立されてあった。
千代田区の広報誌(2022年9月5日号)によると、当時の逓信省生命保険局(現在は「かんぽ生命保険」)が1928年、「国民保健体操」の名称で初代「ラジオ体操第一」を制定した。
翌29年に全国放送が開始されたが、現在の万世橋署(千代田区)の面高巡査が30年、全国に先駆けて「早起きラジオ体操会」を始めた。そのゆかりの地が、佐久間公園だという。

公園内に設置された記念碑には、「ラジオ体操は 昭和三年十一月 簡易保健局が国民の健康増進のために国民保健体操と名づけて制定したものである。これがひとたび放送されるやラジオ体操として親しまれ 全国各地にラジオ体操会の誕生を見るにいたった」と記載されてあった。
また、「この地は当時万世橋警察署の面高巡査が町内会の人達と共に 全国に先駆けて『早起きラジオ体操会』を始めたゆかりの地である」などとも刻まれている。
なお、佐久間公園の所在地は「神田佐久間町三丁目21番地」だが、1923年の関東大震災では住民が一致団結してバケツリレーを行い、町周辺を守ったことでも知られているという。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」によると、ラジオ体操第一はパワーヨガ、ラジオ体操第二は水中歩行とそれぞれ同程度の運動強度があるとされている。
東京都の公式YouTubeアカウントには、ラジオ体操指導員による「ラジオ体操模範演技」の動画がアップロードされており、正しいフォームを確認することができる。
朝からラジオ体操で適度に汗をかき、清々しい気分で1日を過ごしてみてはいかがだろうか。