日本でも連日、猛暑日が続き危険な暑さとなっている背景には温暖化の影響があると指摘されています。
アジア各国でも様々な気候変動の影響が出てきている中で、人々は危機を訴え、政府や企業も対策を加速化しています。
ヨーロッパ諸国では先進的な気候変動対策が行われているという印象が強い一方で、アジア各国ではどのような対策が取られているのでしょうか。
ハフポスト日本版は、韓国、台湾、フィリピンの専門家や弁護士、気候活動家に、気候変動をめぐる人々の関心や教育現場、政治分野での「今」について、共通の質問を聞きました。
日本の状況と照らし合わせながら、それぞれの記事を紹介します。

韓国の状況について、現地のNGO「ソリューションズ・フォー・アワー・クライメート(SFOC)」のCEOで弁護士のキム・ジュジンさんに話を聞きました。
韓国では日本と同じように、気候変動の影響で台風など災害が激甚化し、夏場の猛暑は深刻化しています。
キムさんが語った「四季がある国なのに、温暖化により春と秋が極端に短くなっている」という状況は、日本でも実感している人が多いのではないでしょうか?
政治分野では、韓国では大統領選挙の公約や討論会のテーマにも気候変動が上がっているとのこと。日本よりも、選挙での気候変動をめぐる議論は活発化しているようです。
2020年には、当時10代の若者19人が政府の温室効果ガス削減目標が不十分で、原告ら若者の基本的権利を侵害しているとして「気候訴訟」を起こし、憲法裁判所は2024年8月、「違憲」判断を下すという画期的な出来事がありました。
日本でも、全国から集まった14〜29歳の原告が2024年8月、日本のCO2排出量の約3割を占める主要電力会社10社を相手取った「若者気候訴訟(「明日を生きるための若者気候訴訟」)」が名古屋地裁で続いています。
アジア各地で、裁判を通し若者たちが気候危機を訴えるアクションが広がっています。
詳細は元の記事から。

台湾の状況については、「台湾クライメート・アクション・ネットワーク」でリサーチディレクターを務める趙家緯(チアウェイ・チャオ)さんに取材しました。
台湾では、気候変動を否定する声は非常に少なく、関心の高さも調査結果で示されているといいます。一方で、再生可能エネルギーの導入や電動スクーターへの乗り換えといった、具体的なアクションに対しては躊躇する人も少なくないとのこと。
日本でも「関心」と「認知」「アクション」については似たような状況があるかもしれません。
一方で、脱炭素社会に向け取り組みたいアクションについては、再生可能エネルギーの電気プランへの切り替えや太陽光発電パネルの設置は10.9%、省エネ効果の高い家電の購入は23.1%に留まりました。
また、最近では、若者を中心にサスティナビリティや環境保全などに関する「グリーンジョブ」が、就活生のキャリアの選択肢の一つとなってきているという点も興味深い近年の変化でした。
日本でも少しずつ似たような傾向が出てきていますが、まだまだグリーンジョブへの関心は高くないかもしれません。
詳細は元の記事から。

フィリピンの状況については、現地のシンクタンク「CEED(Center for Energy, Ecology, and Development)」でエネルギー・気候プログラム責任者を務めるクリシュナ・アリオラさんに話を聞きました。
フィリピンでは、気候変動の影響で激甚化する豪雨や台風、干ばつなどで、人々の生活は大きな打撃を受けています。
クリシュナさんは「気候変動は、グローバルサウスの国々を直撃します。フィリピンの人々は気候変動の影響の最前線に立っているとも言えます。激甚化する災害の影響で、多くの人々が命を落としています」と話します。
気候変動への関心や知識については、社会全体では少しずつ高まる一方で、「格差社会の中では、最も甚大な被害を受けている人たちにはそのような情報が届いていない」と指摘しました。
フィリピンのインタビューでは、韓国や台湾とは違った、気候変動の影響を強く受ける「グローバルサウス」としての状況や意見が聞かれました。
先進国が歴史的にも多くの温室効果ガスを排出し、グローバルサウスの国々が気候変動の影響を受けるという「不均衡」について、排出量で世界5位と多くの温室効果ガスを排出し続けている日本で暮らす人々は、認識できているでしょうか?
詳細は元の記事から。
(取材・記事=冨田すみれ子)