
「子どもたちを殺すな」「ガザを飢えさせるな」━。
映画「アベンジャーズ」シリーズなどで知られるハリウッド俳優のマーク・ラファロさんが、イスラエルによって「人為的な飢饉」がパレスチナ自治区ガザ地区で引き起こされているとして、各国の政治指導者たちに行動するよう訴える動画をInstagramで公開した。
「トランプ大統領、なんとかしろ!」
ラファロさんは、「総合的食料安全保障レベル分類」(IPC)が報告書の中で、ガザで飢饉が発生していると認定したことに言及。「これは自然災害でも、干ばつでもない。人災であり、一般市民を殺害するという人為的な犯罪行為だ。イスラエルとイスラエル軍による犯罪だ」と強く批判した。
2023年10月以降、ガザで殺害されたパレスチナ人の8割以上は民間人だったと報じられている。これに対し、ラファロさんは「常軌を逸している」と述べ、こう続けた。
「トランプ大統領、なんとかしろ!あなたは飢えている人々を気にかけていると言う。戦争を止めたいと言っている。それならなんとかしろ!ドイツ、ヨーロッパ、イギリスもだ。ただ座って見ているだけなんて狂っている。心が痛むことだ」
動画を添えた投稿では、「私たちが目の当たりにしているガザの状況は、単なる悲劇ではなく、人道に対する罪だ。強制的な飢餓であり、人為的に作り出された飢饉だ」と指摘。
「世界が沈黙したまま見ている間に、子どもたちや家族が衰弱している。これは自然災害ではない。権力者たちが下した意図的な決定の結果だ」と訴えた。
その上で、各国の指導者に向けて、「あなたたちの沈黙は共犯だ。あなたたちの不作為が、この苦しみを助長している。私たちは、ある民族全体が飢えにさらされるのを黙って見ているわけにはいかない」と記し、ジェノサイドを終わらせるために行動するよう求めた。
ガザで起きているジェノサイドに対し、ラファロさんが声を上げたのは初めてではない。
数百人のハリウッドの著名俳優や映画監督らが5月、ジェノサイドに対する映画業界の沈黙を非難する書簡を連名で発表した際には、ラファロさんも賛同者として名を連ねていた。
書簡は、「抑圧された声を守るために存在しないのなら、私たちの職業にはいったい何の意味があるのでしょうか?」と問いかけ、「我々の芸術が、最悪の事態の共犯者となることを拒否しましょう」と呼びかける内容だった。
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