サグラダ・ファミリア、143年の時を経て「世界一高い教会」に。2026年はガウディ没後100年(スペイン)

この瞬間を捉えた映像には、巨大なクレーンが慎重に十字架の一部を吊り上げる様子が映し出されています。

スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリアが、ついに「世界で最も高い教会」となりました。 

教会の頂上に立つ中央塔「イエス・キリストの塔」に十字架の一部が設置され、高さ162.91メートルに到達。これにより、1890年以来首位を守ってきたドイツのウルム大聖堂(161.53メートル)を上回りました。

この瞬間を捉えた映像には、巨大なクレーンが慎重に十字架の一部を吊り上げる様子が映し出されています。現在も建設は続いており、「イエス・キリストの塔」は最終的に172メートルに達する予定です。BBCによるとこの塔の完成は2026年と見込まれ、奇しくもガウディの没後100年にあたります。

スミソニアンマガジンによると、サグラダ・ファミリアの礎石は1882年に置かれ、ガウディが建築を引き継いだ翌年、設計は当初のネオ・ゴシック様式から有機的な造形とカトリックの象徴を融合させた革新的なデザインへと生まれ変わりました。しかし、ガウディが1926年に急逝した時点で、完成していたのは18本の塔のうちわずか1本だけ。その後、聖堂の建設は「サグラダ・ファミリア財団」によって引き継がれ、観光客や個人の寄付によって支えられてきました。

しかし、彼の死後も建設は困難を極め、スペイン内戦では地下聖堂が焼かれ、設計図や模型が失われる被害もありました。

ガウディの理念を継ぐ建築家たちによって工事は続いていますが、近年はプレハブ石材パネルなどの最新技術が導入され、スピードが大幅に向上しました。現在は観光収入が主な資金源で、2024年には約490万人が訪れたとAP通信は報じています。

主任建築家ジョルディ・ファウリ氏は「ガウディは人々に上を見上げてほしかった。彼が目指したのは“光の教会”です」と語ります。

注目記事