米大学の学生新聞の表紙が「素晴らしいジャーナリズム」と話題に。銃撃事件の恐怖を伝えたのは写真ではなかった

キャンパスで起きた銃撃事件を伝える学生新聞の表紙に、反響が広がっています
銃撃を受けキャンパスを安全に学べる場所にするよう訴える学生たち(2023年8月30日)
銃撃を受けキャンパスを安全に学べる場所にするよう訴える学生たち(2023年8月30日)
via Associated Press

「百聞は一見にしかず」――その言葉を覆すような力強い表紙が、ノースカロライナ大学チャペルヒル校(UNC)の学生新聞「デイリー・ターヒール」の表紙を飾った。

UNCのキャンパスでは8月28日、銃撃事件が発生し、応用物理科学学部のジジェ・ヤン准教授が射殺された。

この事件で、同大大学院生のタイレイ・チー容疑者(34歳)の身柄が拘束され、殺人と教育機関での銃所持の罪で起訴された。

ヤン准教授はチー容疑者の指導教官で、ふたりはいくつかの研究論文に取り組んだこともあった。

デイリー・ターヒールは、学生たちにショックを与えたこの事件を紙面で取り上げた。紙面版編集長のケイトリン・ヤエダさんは30日、その表紙をXに公開した。

The front page of tomorrow's @dailytarheel

I shed many tears while typing up these heart-wrenching text messages sent and received by UNC students yesterday. Our campus was on lockdown for more than three hours.

Beyond proud of this cover and the team behind it. pic.twitter.com/2gE51TrHZ8

— Caitlyn (she/her) (@caitlyn_yaede) August 30, 2023

表紙に掲載されているのは、銃撃犯や警察、事件に動揺するUNCの学生の写真ではなく、 キャンパスで銃撃が発生したことを知らされた学生たちが、互いに送りあったテキストメッセージだ。

「大丈夫?」「どこにいる?」「一人?」「すごく怖い」「銃の音聞いた?」「どうか無事でいて」「ドアを塞いで。それかドアをロックできそうな場所があったら逃げて」

文字で埋められた一面からは、不安や恐怖、相手を心配する気持ちが伝わってくる。

ヤエダさんは「明日のデイリー・ターヒールの表紙です。UNCの学生たちが互いに送り合った、胸が締め付けられるようなメッセージをタイプしている間、私は涙が止まりませんでした」とつづっている。

事件について報じるデイリー・ターヒール(2023年8月30日)
事件について報じるデイリー・ターヒール(2023年8月30日)
via Associated Press

事件発生後、UNCのキャンパスは3時間以上封鎖されたが、地元メディアのニュース&オブザーバーによると、デイリー・ターヒールのスタッフは、封鎖されたキャンパス内で、事件の発信を更新し続けた。

ヤエダさんの投稿した表紙はSNSで拡散し、反響が広がっている。

ニューヨークタイムズやワシントンポストなど大手メディアのジャーナリストたちも投稿をシェアし「素晴らしいジャーナリズム。悲しく悲劇的な出来事だが、、学生ジャーナリストたちは素晴らしい対応を見せた」「最高の学生新聞。なんという表紙だろう」「とても力強く、衝撃的だ」「これ以上の表紙を見たことはない」など、称賛している。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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