続発した政府の不祥事と野党の審議拒否で混乱してきた国会は、GWが明けて正常化しました。希望の党の解党が決まった直後、多くの野党が審議拒否をする中で本会議に出席したのは、国会をもう少しまともなところにしたいという思いがあったからです。
会期末が近づき、衆議院本会議では法案の採決が頻繁に行われています。無所属議員となった私の議席は、本会議場の議長席に向かって最右翼に移動しました。私の周辺にはどの会派にも所属していない無所属議員が座っている(「無所属の会」という会派に所属している無所属議員もいます)のですが、我々は、それぞれが賛否を判断しなければなりません。
政党に所属する議員は、賛否の判断を組織に委ねています。私も長らく、党議拘束に従ってきました。無所属議員となり、あらゆる問題について個人で判断する難しさを実感しています。特に、TPPのように国論を二分する問題については、賛成したことに対する批判も私個人で受け止めるしかありません。ただ、本来はこれこそが国会議員の本業であるはずです。
衆議院議員は、全国民を代表する存在として、憲法に規定されています。一方で、政党に関する憲法規定は一切ありません。本来は、選挙で選ばれた国会議員が、国民の代表として主体的に判断し、考え方の近い議員が政策を実現する手段として政党をつくるというのが、憲法が予定した姿であるはずです。
国会の現状に疑問を投げかける声が、国民の中からも、心ある与党議員の中からも上がるようになりました。これだけ国会が機能不全に陥っているにも関わらず、野党の中からあまり声が上がってこないのは寂しいことです。発言の自由が保障されているのが、無所属の良いところです(もちろん、その責任も伴いますが)。日程闘争(時として審議拒否)の原因となっている会期制の見直し、党議拘束に縛られない自由投票の一部導入、国会に閣僚を縛り付ける慣習の見直しなどの国会改革に向けて、積極的に動いていきたいと思います。