一般的な日本企業を訪れて、違和感を感じることのひとつに、毎日ほぼ同じメンバーでランチを食べる、ということがあります。外に食べに行ったり、会議室で集まって食べたりと、形はさまざまなんですが、ポイントは、毎日、仲のいい(ほぼ同じ)メンバーで、雑談をしながら、ということです。
自分が最初に入った会社(外資系)では、ランチは必ず誰かにアポをとり、一緒に食べに行くというのが「当たり前」でした。そこで話す内容としては、例えば、他の部署の人とミーティングにしてしまうとか、上司とフィードバックセッションを行うとか、または仕事では直接つながってない方にお話を伺いにいくとか、いろんなパターンがあります。ぼんやり仕事していると、皆はアポを入れてるので、ランチを食べに行く人が誰もいない、なんてこともよくありました。
要は、能動的にランチの時間でも惜しんで活用しようとするか、それとも受動的に同じことを繰り返している(その場にいる人たちで、一緒に食べに行く)、かの違いだと思います。
もしあなたが、「毎日同じメンバーで(または、周りにいる、同じ部署とか仲のいいメンバーと)ランチを食べに行く」という生活をしているなら、今すぐやめたほうがいいです。その理由は3つあります。
1)仕事の効率: ランチは実は1時間近くあります。1日9時間と考えたら、約1割です。その時間を雑談をして過ごすのと、少しでも仕事を進めておくのでは、大きく効率が違ってきます。ランチの時間を有効に使えれば、少し早く帰れるかもしれません。正直、ランチを雑談で過ごして、残業とかしてたら、愚の骨頂です。
2)人脈の拡大: 同じ会社の人で普段は接点がない人に、「ランチを一緒にしてください」とお願いして、断られることはまずありません。ランチはまたとない社内人脈拡大のチャンスです。皆さんもご経験あると思いますが、知っている人(好感を持っている人)と、そうでない人では、何かを頼まれたら対応に差がつきます。また、社外の人とのランチも、知識や視点を広げるための、またとない機会になります。
3)能動的に動く、という訓練: 実は一般的な会議の大半は、定例会議とか、誰かから依頼されてとか、前回のフォローアップとか、という「受動的」なものです。週5回のランチを、「自分が目的を設定して、出席者に依頼する」というようにすると、「能動的に何かをする」といういい訓練になります。例えば、「こんな人が集まる、異業種交流会はないかなあ?」と考えるのではなく、「こんな人が集まる異業種交流会を、自分で主催してしまえ」と考える違いです。この能動的な動き方(海外では「イニシアチブ・テイキング」と呼ばれます)は、ビジネスパーソンとしてとても大切な要素です。
今すぐ、自分の興味や優先順位を考えて、ランチのアポの依頼を送ってみましょう。それだけで、効率と、人脈と、仕事に対する態度が変わりますよ。
GAISHIKEI LEADERSは、外資系企業での仕事等を通じて日々グローバル社会とかかわってきたメンバーが、自らの『和魂洋才』を一層磨き上げ、社内外で活用し、グローバル社会と調和した、開かれた元気な日本の未来を実現することを目指し、設立されたコミュニティ・プロジェクトです。『和魂洋才』の梁山泊となり、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞等の課題に対して、新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動を展開しています。