ニュースを巡る争いはますます加熱しています。GoogleとAppleは相次いでニュースアプリを、Facebookはモバイルでニュースを読み込む時間を短縮する新機能「instant articles(インスタント・アーティクルズ)」を発表しました。アメリカに進出しているスマートニュースはどう挑むのでしょうか。
ベンチャー企業の経営者らが集まるイベント「Infinity Venture Summit(IVS)2015 Spring Miyazaki」のセッション、「今後のスマホ・ビジネスの主戦場はどこか」でLINEの舛田淳取締役に「AppleとFacebookという二大モンスターを相手にするのはどうか」と聞かれたスマートニュースの鈴木健会長は「楽しいですね」と即答。各サービスの特徴と違いを解説しました。
アメリカではニュースサイトのトラフィックは、Facebookからになっている。アルゴリズムを変えて、ニュースサイトのへのトラフィックを増やしたことでBuzzFeedが加速した。
Facebookにとってニュースは重要な存在だからPaper(ペーパー、2014年1月発表。紙の新聞を読むようなインターフェイスが特徴)も出した。PaperはAppleのUXを推進したデザイナが進めたが失敗した。そのチームが次のプロジェクトとして取り組んだのがinstant articles。ただ、よく考えるとスマートニュースが既にやっている。2年半前からオフラインの閲覧体験を作ってきた。(鈴木)
instant articlesは、スマートニュースの「さくさく読める」という体験を支えるスマートモードと同じ仕組みです。
instant articlesは、提携するメディアがFacebookのサーバー上に記事をアップロードすることで、ニュースフィードに記事を配信する際に表示速度を10分の1に短縮。広告収入の100%がメディア側に入ります。提携しているのは、ニューヨークタイムズ、ナショナルジオグラフィック、BuzzFeed、ガーディアン、BBCといった代表的メディア8社。
一方、スマートモード用の配信用記事書式「スマートフォーマット」は2014年6月にスタートしています。関連記事リンクや広告配信情報なども付加することができ、こちらも収入の100%がメディア側に入ります。
Appleのニュースアプリ「News」については...
AppleNewsは、まだ使ってないが、見た感じはFlipboard(フリップボード)に近いインターフェイスでビジュアル重視。スマートニュースがヒットしたのは通勤時間など平日の忙しい時間に使ってもらっているから、(Appleニュースは)休日の時間があるときに見るもので、使うシーンが違う。(鈴木)
と補完的な関係と見通しました。スマートニュースは2014年10月にアメリカ版を開始。3ヵ月で月間アクティブ利用者数100万人を突破しています。ロイターやAPといった有力メディアと提携している状況を説明。アメリカでは同じようなアプリはなく、ユニークな存在だと語りました。
(2015年6月11日「Yahoo!ニュース 個人」より転載)