国内企業の「ソーシャルシフト実態調査」を実施

生活者は変わった。ソーシャルメディアやモバイルの普及によって、世界の生活者は緊密につながり、今までにない巨大な力をもつようになった。顧客を欺けば「食品偽装問題」のごとくたちまちその全貌が暴かれ、社員を軽んじれば「ブラック企業問題」のごとく著しいブランド低下を招いてゆく。短期的な売上や利益、事業拡大といった利己的な目的に走る企業に対して、生活者は明確に「ノー」を突きつけるようになったのだ。

生活者は変わった。ソーシャルメディアやモバイルの普及によって、世界の生活者は緊密につながり、今までにない巨大な力をもつようになった。

顧客を欺けば「食品偽装問題」のごとくたちまちその全貌が暴かれ、社員を軽んじれば「ブラック企業問題」のごとく著しいブランド低下を招いてゆく。短期的な売上や利益、事業拡大といった利己的な目的に走る企業に対して、生活者は明確に「ノー」を突きつけるようになったのだ。

今や企業には、自社をとりまく社員、顧客、地域社会、そして株主、すべてに共感される存在であることが求められている。ループスでは、こうしたパラダイムシフトにおける企業の内面からの変革を「ソーシャルシフト」と呼び、5つのレイヤーに沿って「三方よしの企業」に内面から変革してゆく「インサイドアウトの経営改革」を提案している。

「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる」という古い格言があるが、これこそがインサイドアウトのアプローチだ。

ビジネスにおいて、心にあたるのは「使命や価値観」であり、行動にあたるのは「業務遂行による価値創造」、習慣にあたるのは「社内の風土」、人格にあたるのは「ブランド・パーソナリティ」、運命にあたるのが「社会との共生とビジョンの実現」だ。

誠実な企業使命や価値観を共有し、オープンな組織で社員の自律的行動を促し、社会に貢献するビジネスモデルを構築し、顧客の事前期待を上回る価値を創造する。このインサイドアウトのアプローチこそ、持続的な事業成果を生みだす源なのだ。

今回、僕たちループスでは、このような考え方にもとづき、企業のソーシャルシフトがどの程度すすんでいるのか、その実態を明らかにする独自の調査を実施した。国内のビジネスパーソン1,000名を調査対象とし、ソーシャルシフトに必要な20の構成要素をこの5つのレイヤーに分類した上で、それぞれの項目について選択形式で答えていただいたものだ。

❏ 調査概要

調査対象:日本在住で20歳以上のビジネスパーソン

調査方法:インターネット・アンケート

調査期間:2013年11月29日〜12月2日

有効回答数:1,000名

回答者の属性:

[性別]男性:50%、女性:50%

[年代]20歳代:24.0%、30歳代:25.4%、

40歳代:25.3%、50歳以上:25.4%

[所属組織の対象顧客]

消費者向け(B2C):46.6%

企業・官公庁向け(B2B):42.0%

両方(B2CおよびB2B):11.4%

これら20の項目を従業員規模別に比較すると、10人未満の企業では、②会社のミッション、③会社のビジョン、④コアバリューなどブランド哲学の構成項目でスコアが低い一方、⑥会社の組織風土などはベンチマークであるスコア50を上回り、強みとなっていることがわかった。

一方、1,000人以上の企業では、ベンチマークを下回る項目は皆無だが、⑥会社の組織風土、⑦社内のコミュニケーション、⑧社内の情報共有が他の項目と比較し、ややスコアが低い傾向が見いだせる。

図1. ソーシャルシフト・スコア(従業員規模別)

また、特定業種のスコアを比較すると、金融、証券、保険では、ほぼ全項目がベンチマークと同程度、もしくは大幅に上回っているが、商社、流通、小売では、ベンチマークを超えるのは ⑮顧客の声の活用、⑯社内外広報の実践に限定されていることがわかった。

図2. ソーシャルシフト・スコア(一部業種)

その他、詳細な調査結果はこちらで閲覧ください。なお、Slideshareから当PDF資料のダウンロードも可能となっています。読者のみなさまのビジネスになんらか貢献できれば幸いです。

※この記事は2014年3月11日の「in the looop」掲載記事より転載しました。

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