アメリカでどのように音楽が聴かれているか、動向を2013年と2014年で比較したチャートがこちら。
左から「オンデマンド型音楽ストリーミング」「オンデマンド型動画ストリーミング」「デジタル・アルバムダウンロード」「デジタル・トラックダウンロード」「CDアルバム」「アナログレコード」
これは2014年を前年と比較した時のパーセンテージですので、実際の売上数値ではありません。音楽ストリーミングの成長が顕著な一方でダウンロードとCDがマイナスになっているのが分かります。
アメリカの音楽市場は2013年にiTunesストアがスタートした2003年以降、初めて売上がマイナス成長になり、その減少傾向は2014年も引き続き起こりました。多くの人がデジタルダウンロードから遠ざかる中で、音楽ストリーミングサーヴィスが人気を集め急激に成長しているのが、今のアメリカです。
2014年だけでアメリカではSpotifyやYouTube、VEVOなどを合わせて1,640億回曲をストリーミング再生しました。これは2013年から54.5%の成長で、
現在、音楽ストリーミングには二種類のモデルが存在します。一つはPandoraなどに代表される、パーソナライズド・ラジオ・サーヴィス。ユーザーが指定した好みのアーティストやアルバムを分析して最適な曲を自動でレコメンドして再生します。こちらのモデルは広告モデルで、利用はフリーですが、ユーザーが好きな曲を選ぶことはできません。
もう一方がオンデマンド型音楽ストリーミングサーヴィスで、代表的なのはSpotify。ユーザーが好きな曲を膨大なライブラリーから選択して再生ができるモデル。フリーと有料(サブスクリプション)の二種類のプランを用意している「フリーミアム」モデルで、有料では広告などの制限が外せるようになっています。
日本ではどちらのモデルのグローバルサーヴィスはまだ日本上陸できていません。また日本で独自開発されたサーヴィスも、一般的に利用されるまで認知拡大ができていないのが現状です。しかし、世界的に広がっている「音楽ストリーミング」がCD売上が伸び悩む日本でも展開されるのは、新しい音楽のビジネスチャンスでもあり、リスナーの楽しみ方が増える良い機会と言えます。
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ソース
(2015年1月19日「All Digital Music」より転載)